リーダーシップ

2026.10.05 15:00

X世代は「時代遅れ」ではない、経験豊富な社員の力を引き出す職場の作り方

stock.adobe.com

stock.adobe.com

職場のトレンドをめぐる議論は、最も若い世代であるZ世代と、彼らのエンゲージメントをいかに高めるかに焦点が当たりがちだ。Z世代は従業員層の中で最も急速に拡大している集団であり、ミレニアル世代も相応の注目を集めている。では、X世代はどうだろうか。

昨年、物議を醸したNew York Times の記事「X世代のキャリア崩壊」は、1965年から1980年の間に生まれた人々、特にクリエイティブ分野の人々について、そのスキルの多くが時代遅れになったと述べていた。しかし、多くの読者はこれに異を唱えた。「ある新しい記事は、私たちの死亡記事を書こうとした。だが私たちは、まだ始まったばかりだ」と、X世代の著者ジョナサン・スモールは応じた。

900人を超える従業員を擁し、あらゆる世代が働く企業のCEOとして、筆者は各年代がそれぞれ固有のスキルと経験を職場にもたらすと確信している。X世代の社員を育てることは、Z世代やミレニアル世代の場合と同じくらい重要だ。その理由を説明しよう。

X世代が独自に強みを発揮する領域

自社の力学を見ていると、X世代の社員が輝きやすい領域の1つが、ソフトスキル、あるいは「パワー」スキルである。リモートワークが例外だった時代に社会人として成長したX世代の多くは、対面で共に働くことに慣れている。キャリア初期に、効果的なコミュニケーションや協働の方法を現場で学び、積極的傾聴、会議の主導や参加といったスキルを磨いてきた。彼らは1日の中で同僚と自然に交流する傾向があると筆者は感じている。オフィスでの何気ない雑談や、昼休みにコーヒーを買いに行くといった日常のやりとりだ。そうしたやりとりは短く気軽なものかもしれないが、時間をかけて関係を築き、自分より大きな何かの一員だと人々に感じさせるうえで価値がある。

X世代が十分に評価されていない点の1つは、そのレジリエンスである。彼らはキャリアを通じて、複数のテクノロジーによる破壊的変化や経済危機などを乗り越えてきた。専門家は彼らを元祖デジタル移民と呼ぶ。アナログの世界、デジタルの世界、そして現在のAI時代に至るまで、そのすべてで働いてきた世代だからだ。

スモールの記事へのあるコメント投稿者は、こう述べた。「レコードから8トラック、カセット、CD、iPod、ストリーミングへと波に乗ってきた私たちが……モノポリーからアタリ、任天堂、Wii、Xbox、Switchへとレベルアップしてきた私たちが……今回の変化だって乗り越えられるはずだ」。同様に、Timesの記事に登場した、複合企業での職を失ったX世代のクリエイティブ職の人物は、こう語った。「感謝していることが1つあり、それが私の世代の強みでもあるのだが、私たちは何も約束されていなかった。苦労することは覚悟していた」

Z世代が(もっともな理由はあるにせよ)職場不安と結びつけられがちであるのに対し、X世代はその不屈の精神で知られている。今日の急速に変化する環境でリーダーを務める立場から見ると、こうしたエネルギーを職場にもたらす社員はかけがえがない。彼らは、チーム全体の成果と士気を引き上げる「満ち潮」のような存在になり得る。

ただし、X世代の強みを評価するには、彼らのニーズも育まなければならない。X世代の社員に満足して意欲的に働き続けてもらうために、筆者の会社で実践している戦略をいくつか紹介する。

次ページ > X世代のエンゲージメントを維持する方法

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事