経営・戦略

2026.10.02 16:56

雑務はAIに、人間は表舞台で輝くために

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あなたが行うすべての仕事は、あなたの輝きを引き出すか、あるいはそれを埋もれさせるかのどちらかだ。これはあなた自身にも、チームの全員にも当てはまる。そしてビジネスにおける真の悲劇は、雑務のために輝かしい仕事が決して成し遂げられないことなのだ。

Asanaの「Anatomy of Work Index」によれば、1日のうち60%は「仕事のための仕事」に費やされているという。会議、ステータス更新、情報検索、データの再整形、あるシステムから別のシステムへの数値のコピーといった日常業務だ。残りの40%しか本来の仕事に充てられない。10時間のうち4時間。これを私は「ロボット仕事」と呼んでいる。だが、あなたはロボットではない。

リーダーたちにAIを教える際、私は「フロントステージ」と「バックステージ」という言葉を使う。イベントで登壇するモチベーショナルスピーカーを思い浮かべてほしい。彼らの役割はまさしくフロントステージであり、コーチングや教えることにある。スピーカーは、決済処理の修正、チケットの回収、来場者の席案内、照明のセットアップといったバックステージの活動に注力しているわけではない。

同じように、あなたのフロントステージの仕事はあなたの才能を際立たせる。AIは適切に使えば、私たちのバックステージの仕事をほぼすべて引き受けることができる。この発想は恐怖を呼び起こしがちだ。AIがバックステージを担うなら、仕事そのものも奪われてしまうのではないか、と。

人間らしさを際立たせる

この問いに答えるには過去を振り返ればよい。1980年代にATMが登場したとき、銀行員は皆、窓口係は消滅すると言った。しかし経済学者ジェームズ・ベッセンの調査によれば、実際に起きたのは、銀行がより低コストでより多くの支店を開設したことだった。窓口係への需要はむしろ増加した。私にとって最も興味深いのは、窓口係の役割そのものが現金の勘定から、助言、販売、問題解決へとシフトしたことだ。仕事がより人間的になったことで、仕事そのものが良くなったのだ。

だが、AIに何ができるかに焦点を当てる前に、私はリーダーシップチームに「AIが決して触れてはならないもの」について話し合うよう助言している。共感は、組織の中にいる人間であるあなたから生まれる。信頼に基づく人間関係、つまり対面で築く信頼感、チームメンバーが苦しんでいるときに下す決断。知恵と文脈を必要とする判断、ルールを破るべきタイミングの見極め。重要な場面に居合わせる物理的な存在感。そして、人間の心を必要とする瞬間。私は以前、AIが可能にすることを軸に組織図を再構想することについて書いた。これらの領域はいずれも、AIの組織図には載らないことに注目してほしい。

注意すべき点

私が最初に行った大規模なAIワークショップの一つは、人身傷害を扱う弁護士グループ向けだった。この分野全体で初回対応に課題があり、それをAIで解決したいという誘惑がある。私は彼らにこう尋ねた。「夫がトラック事故で亡くなったばかりの女性から電話がかかってきたとき、AIに応対させたいと思いますか」と。音声AIの体験は、まだそのようなリアルタイムで繊細なコミュニケーションに耐えうる水準ではない。

将来、十分に素晴らしくなったときには、改めてその議論をすればよい。だからこそ、常に「人間関係というフィルター」を通してほしい。ビジネス関係における信頼が低下すれば、財務的な影響が出る。評判や人間関係を危険にさらして15%の時間効率を得るというのは、割に合わないと私は思う。

AIがあなたのためにできること

AIがバックステージの仕事をより多く引き受ければ、チームメンバー全員がフロントステージで活躍できるようになる。そうなれば、こうした人間的な接点が、企業としての競争優位性になる。

AI活用にまだ身構えているなら、こう考えてみてほしい。5分の意思決定のために何時間の準備が費やされているか。それは雑務に埋もれた判断力なのだ。見込み客を調べるのにメール作成前に45分かけていた営業担当が、今では5分で済ませられる。AIに移すのは繰り返しの作業、インデックスカード1枚に書けるようなルールベースの仕事、そして大量かつ低判断の仕事だけだ。

そして、CFOがコストについて尋ねてきたら、答えはある。Microsoftが後援したIDCの調査では、企業は生成AIへの投資1ドル(約1万未満円)当たり平均3.70ドル(約1万未満円)のリターンを得ていることが示された。私自身が複数の会社や助言先企業で活用した経験では、リターンはさらに大きい。AI投資のリターンは、適切な仕事に向けたときに現実のものとなる。

フロントステージを輝かせる

私たちは原子の世界に生き、ビットの世界でコミュニケーションしている。AIがもたらす機会とは、原子の世界により多くの時間を使えるようになること、つまり、愛する人や大切な人との物理的な関係により多くの時間を割けるようになることだ。雑務はAIに任せよう。そして「雑務」が主観的なものであることを忘れてはならない。私にとって退屈な仕事は会計だが、私の会計士にとって退屈な仕事は交渉だ。

こうした移行期に活躍するリーダーやチームは、仕事の流れがどうあるべきかを明晰に考える人々だ。AIに追いつこうとするのはやめよう。誰にも追いつけない。AIは消防ホースのようなものであり、要は水を浴び、横から少し飲むことなのだ。すべてのツールを知る必要はない。今日、たった一つのことにAIを一度使えばいい。

(forbes.com 原文)

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