小規模企業向けに会計サービスを提供していると、会計のサポートを求めているものの、どの職種を採用すべきかわかっていないビジネスオーナーに遭遇することがよくある。いきなり極端な方向に走り、CFO(最高財務責任者)が必要だと思い込む人もいれば、ソフトウェアやAIを使って会計をDIYしようとする、最小限の解決策を選ぶ人もいる。その中間として、サポートを雇ってはいるものの、適切な職種ではないというケースもある。本記事では、次回小規模企業の会計サポートを探す際の参考となる情報と文脈を提供するため、5つの会計職種について概説する。
1. 記帳係(ブックキーパー)
記帳係(ブックキーパー)とは一般的に、銀行取引、請求書、支払伝票など、企業で発生済みの取引情報を記録する担当者のことだ。歴史的に、この職種はデータ入力が中心であり、スキルの高くない労働力を何時間も必要とするものだった。しかし、接続性が向上した現代においては、多くのデータが異なるシステム間(銀行と記帳プラットフォームなど)で自動的に転送されるため、その仕事はデータ入力よりも、データが正しく処理されているかを確認することが中心となっている。
2. 会計士(アカウンタント)
「会計士」は、会計専門職に就くすべての人を包含し得る広範な言葉だ。会計士にはさまざまな種類があるため、必要なサポートの種類を特定しようとする際には、必ずしも有用な表現とは限らない。ただし、小規模企業に関していえば、会計士とは、深い専門性まではないとしても、幅広く一通り対応できるゼネラリストと定義できる。
3. コントローラー(財務統括責任者)
組織のヒエラルキーにおいて、コントローラーは通常、CFOの下に位置する。これは一般的に、CFOが財務上の意思決定を行うために必要な財務報告を用意する、より上位の役職だ。コントローラーは会計部門を管理・統括するが、記帳係のように日々のデータ入力や残高照合といった実務には関与しない。
4. CPA(公認会計士)
CPA(米国公認会計士)は、企業における職種ではなく、専門的な資格制度である。伝統的にCPAは、外部の利害関係者に財務報告書を提出する必要がある場合に、監査業務を行う。小規模企業で監査済みの財務報告書が必要になることは滅多にない。それでは、なぜこれほど多くの人がCPAの採用にこだわるのだろうか。CPAを採用することは、一般的に、その人物が担当する職種に関わらず、有能な人物を採用することを意味するからだ。
5. CFO(最高財務責任者)
CFOは通常、企業における最高位の財務・会計職である。小規模企業では一般的に、オーナーや創業者がこの役割を兼任している。CFOは会計取引の記録や過去の報告書の作成には関与せず、そのデータを用いてビジネスの財務上の意思決定を行う。大半の小規模企業にとって、この職種を明示的に配置せずに運営することは普通であり、賢明でもある。CFOの採用には多額の費用がかかる可能性があり、小規模企業ではこなすべき業務があまりないため、必要に応じてフラクショナルCFO(非常勤のCFO)を採用することが一般的な暫定措置となる。また、この職種は分析的かつ確率的な性質を持つため、AIはオーナーがCFOの役割を果たす上で効果的なツールとなる。
小規模企業を立ち上げる際、早い段階で会計のサポートを雇う必要が出てくるだろう。コストを抑えるために、以下の順序で各種会計職種を採用することをお勧めする。まず、過去の取引を記録するために記帳係を雇う。これはCPAである必要はないが、有能な人物であるべきだ。記帳ソフトウェアを使用して財務報告書を作成し、それらの報告書の分析を支援するためにAIを活用する。ビジネスが成長し、予算が許すようになれば、財務報告書が適切に作成されているかを確認するために、より高位の会計士やコントローラーを採用する。オーナーが単独で管理できる限界をビジネスが超えた段階で初めて、より的確な財務上の意思決定を行うためにフラクショナルCFOの採用を検討すべきだ。
ここで提供される情報は、投資、税務、または財務に関するアドバイスではない。個別の状況に関するアドバイスについては、有資格の専門家に相談されたい。



