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2026.10.05 09:00

評価額約314兆円とされるアンソロピック、2028年に売上高約31.4兆円へ届くか

sdx15 - stock.adobe.com

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流出したAI大手Anthropic(アンソロピック)の目論見書(株式の公開にあたって、事業や財務の内容を投資家に説明する書類)によって、最先端のAIモデルを開発する米国の大手として、初めて上場する見込みの同社に、どれほどの価値があるのかを、ようやく実際の数字で見積もれるようになった。

Anthropicは営業赤字が前年の3倍近く、支出に見合う売上を稼げるか

Anthropicはまだ利益を出していない。そのため、企業の価値が利益の何倍にあたるかを見る物差し(株価収益率など)は、ここではあまり役に立たない。同社の2025年の営業損失は80億6000万ドル(約1兆2730億円)で、前年の3倍近くに膨らんだ。

費用の大半は、AIを動かすためのハードウェアにつぎ込まれている。同社はさらに、今後の支出として5000億ドル(約79兆円)を超える契約を結んでおり、そのうちの80%は取り消すことができない。

新しい技術サイクルの主導権を握ろうとする企業は、これほどの支出に踏み切るものだ。ただし、それが報われるのは、投資によって事業がはるかに大きく伸びる場合に限られる。そこで、売上高を見てみよう。

売上高予想は2028年に約31兆4000億円、年75%成長が2年続けば届く

目論見書とこれまでの報道から読み取れる鍵となる数字は3つある。2025年の売上高46億ドル(約7270億円)。2026年7月の売上高のペースを1年分に引き直した、2026年の「ランレート」650億ドル(約10兆2700億円)。そして、2028年の売上高の見通し2000億ドル(約31兆6000億円)である。

7月の売上高のペースが年末まで続けば、ランレートで見た売上高は、2025年の実績から1313%増(約14倍)になる計算だ。そこから2年間、年75%ずつ伸び続ければ、売上高は2000億ドルに届く。

2025年は顧客2社が売上高を4分の1近く占める

ただし、650億ドルというランレートを額面どおりに受け取る前に、Anthropicの売上高が一部の顧客に偏っていることを考えておきたい。目論見書によれば、2025年の売上高の4分の1近くは2社の顧客によるものだった。同社はリスク要因として、大口顧客の多くは長期契約に縛られておらず、支出を減らしたりやめたりする可能性があるとも記している。

では、7月は普段どおりの月だったのか。それとも、異例に大きな契約が数件あり、それが売上高の大半を押し上げたのか。これほど多くの売上高がごく少数の顧客から来ている以上、Anthropicが7月のペースをどこまで繰り返せるのかは見通しにくい。

評価額約316兆円は2025年売上高の435倍、2028年予想なら10倍

ここまでは、実際の売上高と、まだ売上高になりきれていない数字とを切り分けた。次は、それぞれの数字をほかの企業と比べて、その大きさを測ってみよう。

Anthropicは新規株式公開(IPO)で、2兆ドル(約316兆円)の評価額を目指している。評価額が2兆ドルなら、投資家はAnthropicの2025年の売上高46億ドルの435倍の値段を払うことになる。2026年のランレート650億ドルで計算すれば31倍に下がり、2028年の見通しの2000億ドルなら10倍になる。

売上高倍率はスペースXを下回るが、巨大IT並みには2028年予想の実現が必要

比較のために挙げると、SpaceXは、今後の予想売上高の49倍の評価額で株式を公開した。株式市場での評価は、メタとアルファベット(グーグルの親会社)がそれぞれ売上高の7倍、マイクロソフトとエヌビディアがそれぞれ10倍である。この物差しで見れば、Anthropicの目標はSpaceXほど強気な水準ではない。とはいえ、他のビッグテックと肩を並べるといえるのは、Anthropicが2028年までに売上高2000億ドルに届いた場合に限られる。

投資家がその見通しをどこまで信じているのかは、これからの2年間で明らかになる。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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