2月16日、アップルは消費者に宛てた公開書簡を発表した。それは同時に、世界中の政府に対する直接的な牽制でもあった。
「米国政府は、当社の顧客のセキュリティを脅かす前例のない措置をアップルに求めている。当社はこの命令に反対する。これは目下の法的案件をはるかに超える影響を持つものだ」
これは、スマートフォン時代を形づくった瞬間を振り返る「iPhoneの30日間」の22日目である。
政府がアップルにiPhoneのバックドア作成を要求
サンバーナーディーノで起きたテロ攻撃を受け、米連邦地裁はアップルに対し、容疑者のiPhoneの暗号化を解除するよう命じた。スマートフォンに特製のiOSを組み込み、いかなる制限も受けずにブルートフォースアタック(総当たり攻撃)を実行できるようにすることを求めたのだ。クックはこれを拒否した。デバイス上の暗号化を無効化するソフトウェアを作成することは、すべてのiPhoneに対する「マスターキー」を作ることになり、その使用制限や、引き渡し後の回収は不可能になると主張した。
この対立は、米国政府がサードパーティの請負業者に費用を支払って端末に侵入したことで終結し、アップルがこの変更を実行する必要はなくなった。しかし、公の場で明確な一線が画されたことで、暗号化をめぐる議論は世間の関心を集めるようになり、アップルはユーザーのセキュリティに対するコミットメントをiPhoneの主要な強みとして打ち出すようになった。
世界的な法的課題であり続けるiPhoneの暗号化
アップルは、ユーザー暗号化に対する同社のアプローチをめぐり、今もなお法的な追及に直面している。英国政府からの圧力により、アップルは英国の新規消費者に対し、レベルを下げた暗号化サービスを提供することを余儀なくされた。しかし、サンバーナーディーノでの対立は、消費者向けハードウェアのマーケティング手法を一変させた。エンドツーエンド(終端間)暗号化が消費者の求める機能となったことで、セキュリティはもはや「目に見えないもの」ではなくなったのだ。
これは「iPhoneの30日間」の22日目である。昨日は、米国におけるApple Payと非接触型決済の導入を取り上げた。



