「デルタは素晴らしい仕事をしている。脱帽だ」アメリカン航空の最高執行責任者、ロバート・アイソムは、12月3日、クレディ・スイスの投資家向けプレゼンテーションで、スライドを使いながらアメリカン航空の運航実績の向上――欠航の減少、定時発着、荷物のトラブルの減少――について説明した。
アメリカの3大国際航空会社――アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空――は、運航実績の向上に力を入れてきた。航空会社が前例のない利益性を享受する中、運航実績の向上は、乗客にとってプラスとなっている。
デルタ航空は、「かつてなかったレベルで、とりわけあれだけの規模の航空会社としては前例のないレベルで運航している」とアイソムは語った。
「現在、定時出発の点では我々もデルタに肉薄している」とアイソムは続けた。「デルタが現在、他を引き離しているのは欠航の少なさだ」
デルタ航空のCEO、リチャード・アンダーソンは、すべての便で欠航をなくすことを最優先の課題に据えている。デルタ航空は第3四半期にフライトの99.9パーセントを運航させ、しかも40日間は欠航ゼロだった。「9月も83,000便を超えるフライトの内、欠航したのは13便のみで、他社の追随を許さないレベルとなっている」と、デルタ航空の第3四半期収支報告会でアンダーソンは語った。感謝祭の週、デルタ航空の幹線フライトの欠航は、わずか5便に留まった。
もっとも、アメリカン航空も悪くはなかった。アイソムが示したグラフによると、アメリカン航空は第3四半期に99.3パーセントの便を運航させ、第1四半期の96.4パーセントから改善している。定時到着も75.9パーセントから81.9パーセントに向上。定時出発は61.3パーセントから66.4パーセントに増え、荷物のトラブルは第1四半期では1,000個あたり4.64個だったのが、7月と8月では3.80個にまで減少している。
アイソムによると、スケジュールの信頼性の鍵を握るのは、メンテナンス業務の効率化だという。メンテナンスは「まだまだ改善の余地がある分野だ。まだ手をつけたばかりで、日々一貫して信頼性を提供できるようなメンテナンス・プログラムを設計中だ」とアイソムは語った。
アメリカ最大のハブ空港であるダラスの不安定な気候も、スケジュールの信頼性を損ねる要因となっていると、アイソムは指摘した。「今年は年の初めから、我々の最大のハブであるテキサス上空に、雨雲が居座っていることに留意しなければならない。このことは、とくに合併の最中に、困難な問題となった」
一方で、最近その運航業務を改善したユナイテッド航空は、先週、感謝祭中の欠航率は史上最低となったと発表した。ユナイテッド航空によると、11月22日の日曜日から11月29日の日曜日までの旅行の多い休暇期間中、ユナイテッド航空の幹線は2日間にわたって欠航ゼロを記録し、ユナイテッド・エクスプレスは1便しか欠航しなかった日が2日間あったという。
米運輸省は、各航空会社が定刻の14分以内に到着しているかどうか監視しているが、デルタ航空は9月までの12カ月間で、3大航空会社の中では1位の定時到着率を達成した。米運輸省によると、デルタ航空のフライトは85.6パーセントが定時に到着し、これは、1位となったハワイアン航空の87.5パーセント、2位だったアラスカ航空の85.9パーセントに次ぐ数字だったという。
主な航空会社13社の定時到着率の平均は78.8パーセントだった。アメリカン航空は7位の78.4パーセントで、ユナイテッド航空は10位の76.5パーセント。13位だったのはスピリット航空で、76.7パーセントだった。