AIエージェントの急増で、ウェブの利用構造と収益モデルが変わり始めている。Cloudflare(クラウドフレア)では、AIエージェントからの1日当たりアクセス要求が過去1年間で1700%超増え、同社が処理するトラフィックの半分超を人間以外による通信が占めた。同社は、AIエージェントがウェブページやデータ、APIなどを利用するたびに料金を支払う仕組みを整え、コンテンツ提供者がAI利用から収益を得られる基盤の構築を進めている。
AIエージェントによる通信が1700%超増加、トラフィックの過半は人間以外に
インターネット上のトラフィックは、もはや人間によるものが多数派ではない。インターネット接続基盤を提供するCloudflareが米国時間2026年9月30日に公表したデータによると、同社ネットワーク上でAIエージェントから送られる1日当たりのリクエスト数は、過去1年間で1700%超増えた。
2026年には初めて、Cloudflareが処理するトラフィックの半分超を人間以外による通信が占めた。Cloudflare以外の調査でも、同じ傾向が確認されている。
サイバーセキュリティ企業Imperva(インパーバ)の調査では、2025年にボットがウェブトラフィック全体の53%を占め、前年の51%から上昇した。同社の報告書は、インターネットが「人間同士のやり取りよりも、機械同士の活動によって特徴づけられる新たな段階に入りつつある」と指摘する。
大規模ウェブサイト向けにボット通信を判別するHUMAN Securityは、2025年のAIエージェントによるトラフィックが約7851%増え、自動化されたトラフィックの伸びは人間による活動の約8倍だったと算出した。
インターネットには、人間に加えてAIエージェントという第2の利用者層が生まれており、その増加ペースは人間による利用を大きく上回っている。
CloudflareがAIエージェント向け課金基盤を整備
Cloudflareは年次イベント「Birthday Week」で、ウェブサイトを訪れるAIエージェントを企業が管理し、その利用から収益を得るためのツールを発表した。同社の「Monetization Gateway」は、対象となる米国の買い手と売り手に向けて2026年9月30日からクローズドベータとして提供されている。企業はウェブページ、データ、API、ソフトウェアツールへのリクエスト1回ごとに、AIエージェントへ料金を請求できる。
支払いは、米ドルと価格が連動するステーブルコインのUSDCで自動決済される。利用者がカード番号を入力したり、料金プランへ登録したりする必要はない。Cloudflareは2027年初めまでに、この仕組みを幅広く利用できるようにする計画だ。
コンテンツ提供者向けには、AIによるコンテンツ利用を管理する2つの新たな仕組みも用意された。
検索流入を保ちつつAI学習を拒否できる
Cloudflareが2026年9月15日に提供を始めた設定では、ウェブサイトを検索結果に表示させたまま、AI企業にコンテンツをモデル学習へ使わせないよう設定できる。
もう1つの試験提供機能「Pay Per Use」は、AIの回答にコンテンツが実際に使われた際、コンテンツ提供者へ対価を支払う仕組みだ。初期パートナーはCeramic.aiとYou.comである。
Cloudflareは、ソフトウェア自体が料金を支払う利用者となるインターネットに向け、ウェブ上の「料金所」に相当する課金基盤を築こうとしている。



