米ドル連動型ステーブルコイン「Open USD(OUSD)」が市場に参入した。大手決済・金融企業が参加するOUSDが、USDTとUSDCの優位が続く市場で利用を広げられるかが焦点となる。
OUSDの新しさは技術ではなく、流通の仕組みにある
米国時間2026年9月30日、決済、暗号資産、金融業界の企業が共同で支えるOUSDが提供を開始した。OUSDを開発・運営するOpen Standardは2026年に設立された独立企業で、Coinbase、Mastercard、Shopify、Stripe、Visaの5社が創設パートナーとして参加している。
参加企業数について、ブルームバーグはVisa、グーグル、ブラックロックなど100社超と報じた。Open Standard自身は発表で、金融機関、フィンテック企業、銀行、事業会社など200を超える組織と提携しているとしている。
創設パートナー5社は、OUSDの初期流動性を確保するため総額10億ドル(約1580億円)超を拠出すると約束した。5社はOpen Standardの初期持ち分も同じ割合で取得した。
USDTとUSDCで8割超を占める市場へ参入
OUSDが参入するステーブルコイン市場には、すでに明確な勢力図がある。ビットコインのレイヤー2(L2)決済基盤「Spark」が公開するステーブルコイン市場の追跡データでは、2026年8月時点の総供給額は約3080億ドル(約48兆6640億円)だった。この追跡データはDefiLlamaのデータを基にしている。テザー(Tether)のUSDTが約59%、サークル(Circle)のUSDCが約23%を占める。
新規参入のOUSDが提供開始直後に、この勢力図を覆せるわけではない。ただ、OUSDを単なる「新しいステーブルコイン」と見るだけでは特徴を見落とす。技術そのものに目新しさがあるのではなく、企業による採用と利用を広げる仕組みに新しさがある。



