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2026.10.01 17:29

多くの企業が投資しきれない「AI変革」の現実

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過去数年間、AI投資に関する議論の大半は極めて単純明快だった。企業は最高のモデルへのアクセスを求め、従業員はより優れたツールを求め、実験すべきユースケースには事欠かなかった。大企業にとって、これらは決して安価ではなかったが、何を購入しているのかを理解するのは比較的容易だった。

だが、その状況は変わりつつあると筆者は考えている。現在見られるAIプログラムは、単に従業員により良いツールを提供するだけでなく、業務プロセスから作業そのものを取り除くことに重点が置かれるようになっている。そしてそれを大規模に始めた途端、必要な投資はまったく異なる様相を呈し始める。

AIがビジネスオペレーションの深部に入り込むにつれ、モデル自体が投資に占める割合は小さくなる。代わりに、統合、ガバナンス、オーケストレーション、そしてプロセスの再設計が投資の大半を占めるようになる。さらに重要なのは、多くの企業が長年先送りにしてきたテクノロジー投資の必要性を、AIが白日の下にさらし始めている点だ。技術へのアクセスそのものよりも、この投資の有無こそが企業間の真の格差を生み出すのではないかという疑念が、筆者の中で強まっている。

AIが「技術負債」に直面するとき

大半の大企業は、深刻な技術負債(テクノロジー負債)を抱えている。データは断片化され、基幹プラットフォームは老朽化し、統合は長年にわたって蓄積され、本来連携するように設計されていないシステム間には、今も手作業が介在している。ボストン コンサルティング グループ(BCG)の調査によると、回答企業の半数以上が、レガシーなITアーキテクチャがすでにAIへの取り組みを阻害していると回答しており、特にAIの規模拡大や必要な場所へのデータ提供能力に支障をきたしているという。

企業がこれまでこのような状態で業務を継続できたのは、人間がそれを補ってきたからだ。従業員は、どの情報源を信頼すべきか、どの項目が日常的に間違っているか、どの例外事例が標準プロセスから外れているかを把握している。驚くほど多くの組織的ナレッジがこうした応急処置(ワークアラウンド)の中に存在しており、手作業による介入を排除しようとした瞬間に、それが浮き彫りになる。

従来の答えは、まず根本原因に対処することだった。データをクリーンにし、プロセスを簡素化し、アーキテクチャを近代化し、それから自動化を進める。この論理は理解できるが、そのような順序立てが今も理にかなっているのかは疑わしい。

AIの能力と経済性は、自動化すべき妥当な範囲を変化させた。筆者なら、有意義な価値を持つプロセスから着手し、実用的な範囲で可能な限り自動化を進め、どこに真の制約が生じるかを見極めたい。もしAIが不完全な部分を経済的に処理できるのであれば、導入を待つ理由はほとんどない。処理できない場合は、根本的な問題を解決すべき理由がより明確になる。大半の企業は、完璧なデータや新しいERP(統合基幹業務システム)の導入を待ってから自動化を進める余裕はなく、20年間にわたって蓄積された技術負債を無差別に解消しようとすべきでもない。多くの場合、実際に配備(デプロイ)すること自体が、技術負債のどの部分が重要であるかを見極める最善の方法となる。

財務的な影響として、投資はAIの枠を大きく超えて広がり始める。自動化が拡大するにつれ、システム統合、データ修復、プロセス再設計、そして基盤となるテクノロジーインフラへの追加投資が必要になることが多い。これらの一部はどのみち実施する必要があったものかもしれないが、AIはその必要性が生じる時期を早める。マッキンゼー(McKinsey)の最近の調査は、このプレッシャーを物語っている。調査対象となった企業では、すでにAIが変革予算のほぼ3分の1を消費しており、同時にテクノロジーの運用コストも押し上げている。

投資能力が生む「格差」

高い利益率を誇る企業は、リターンが得られるまでに数年間の投資を行う資金力があり、一部の取り組みが想定していた価値を生まないというリスクを許容できる。複数の機会を並行して追求し、根本的なテクノロジーの制約に直面しても、その解決費用を吸収することができる。

これに対し、構造的に利益率が低いビジネスを展開する企業では、当然ながらハードルレート(最低限必要なリターン)が異なる。投資回収の目処をより明確にする必要があり、投資の順序をより慎重に計画しなければならず、AIの導入と並行してテクノロジーの不具合を修正する資金的余力も少ない。

労働集約的でトランザクション(取引処理)の多いビジネスは、AIによって生産性を向上させ、コストを削減する最大の機会を手にしている可能性がある一方で、それを追求するための財務的な余力が最も乏しい傾向にある。

さらに、複利効果も生じる。リターンに先んじて投資できる企業は、より早く経験を蓄積できる。AIがどこで機能するのか、どのテクノロジーの制約が重要なのか、プロセスをどのように変更すべきかを学ぶことができる。その経験は、その後の投資効果をさらに高めるはずだ。個々の取り組みに対して短期的な投資回収を求める企業は、資本決定としては完全に合理的であっても、結果として全体の動きが遅くなってしまう可能性がある。

それでも迅速に進めるべき理由

こうした懸念があるからといって、歩みを緩めるべき理由にはならない。たとえ生産性の向上が即座に損益計算書(P&L)のコスト削減に直結しなくても、企業が合理的に許容できる範囲で最高のツールを従業員に提供し続けるべきだ。リサーチ、分析、文書作成、プレゼンテーション、事務作業からすでに削減されている時間は、非常に有意義なものである。大企業全体で見れば、その累積効果は、初期段階では人員削減ではなく余剰能力(キャパシティ)の増加として現れたとしても、極めて重要である。

また、基盤となるテクノロジー資産が完璧になるのを待つことなく、プロセス自動化を推し進めるべきだ。今後、出発点となる問いは「プロセスのどの部分を自動化できるか」から、「人間の判断や介入が本当に必要なのはどこか」へと移行していくべきである。その上で、技術負債を含め、AIを取り巻く環境を整備するコストを正当化できるほどの、十分な経済的・戦略的価値を持つ機会を厳選するという規律が求められる。

最後に、生産性の向上、余剰能力の創出、そして構造的なコスト削減を明確に区別すべきである。これらはすべて価値の正当な源泉であるが、実現するタイムラインが異なる。増大した余剰能力をすでにコスト削減が達成されたかのように扱うのは、リターンを過大評価することになる。逆に、コスト基盤がすぐに縮小しないからといってそれを無視するのは、リターンを過小評価することになる。

だからこそ、投資能力(アフォーダビリティ)の問題は、現在よりもはるかに注目されるべきだと考える。高度なAIへのアクセスは広く普及しつつある。優位性はますます、AIを取り巻く環境、すなわちシステム統合、プロセスの再設計、そして本当に修復が必要なテクノロジー資産の一部に資金を提供できる企業へとシフトしている。AIから最も大きな恩恵を受けられるはずの企業の多くが、それに投資する余裕が最もないという現実に直面するだろう。技術そのものへのアクセスよりも、この資金的なジレンマこそが、今回の変革の次のフェーズを決定づける要因になると筆者は考えている。

(forbes.com 原文)

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