2026年第1四半期、ドバイは思いがけない新たな現実に直面した。多くのホテルが空となり、領空が複数回閉鎖されたのだ。2月下旬に勃発したイラン戦争は、アラブ首長国連邦(UAE)で最も目立つ2つの産業、観光と航空業界に打撃を与えた。それはまさに、ドバイが記録的な一年を目指して疾走している最中の出来事だった。
6か月が経過した今、数字は異なる物語を語り始めている。それは、ドバイブランドがいかに強靭で、いかにその強さを保ち続けているかという物語だ。ドバイブランドは復活し、かつてないほどの力強さを取り戻している。
まず戻ってきたのは観光客
同市は8月に86万9000人の海外からの宿泊客を迎え入れ、戦争勃発以降で最高の月間実績を記録した。ホテル稼働率は66%まで上昇し、3月の最低値からほぼ倍増した。この8月の実績は前年同月の稼働率の89%に達しており、数週間前にはホテルのフロアがまるごと空室となっていた目的地にとって、その差は急速に縮まりつつある。
年間を通じた全体像はまだ明らかになっていない。ドバイ経済観光庁によると、2026年の最初の8か月間にドバイを訪れた海外からの観光客は700万人弱を記録し、2025年の同期間に迎えた1254万人から大幅に減少した。ドバイは2025年、過去最高となる1960万人の海外からの観光客を記録して年を終えた。2026年には2000万人を目指していたが、戦争によってこの地域のあらゆる予測がリセットされることとなった。
「どんな都市でも真の底力が試されるのは、順風満帆な時ではなく、困難な時だ」と、ドバイ観光商務マーケティング公社(DCTCM)のイサム・カジム最高経営責任者(CEO)は、ドバイ経済観光庁が発表した声明で述べた。
Arabian Businessによれば、西欧は混乱期を通じてドバイにとって最大の送客市場であり続け、訪問者の約20%を占めており、紛争前と変わらぬ水準を維持した。この一貫性は、旅行者が他の目的地を選ぶ理由をいくらでも持っていたなかで、この目的地の魅力がいかに揺るぎないものかを物語っている。
金融セクターは成長を続け、金融機関は拡大を継続
観光は目に見える回復だ。だが金融セクターの回復はより重要な意味を持つ。資本はノスタルジーでは戻ってこないからだ。資本が戻るのは、ファンダメンタルズが依然として機能しているからに他ならない。
ドバイ国際金融センター(DIFC)が発表した数字によれば、同センターは2026年上半期に登録企業数1万社を突破し過去最高を更新。過去12か月で2318社の新規企業が加わり、年間30%の増加となった。この成長は、戦争が地域の他のあらゆる予測を書き換えていたまさにその期間に起きた。The NationalによるDIFCデータの報道によれば、Citadel、JPモルガン・インターナショナル・アドバイザーズ、カナダ銀行がいずれもこの期間にDIFCに地域事業を設立した。資産運用会社は35%増加した。ファミリーオフィスは36%増、ファミリーオフィスが資産保有・移転に用いる構造であるDIFCの財団は67%急増した。AI、フィンテック、イノベーション企業は39%増加し、登録数は約1900社に達した。
Gulf Newsによれば、世界最大のオルタナティブ資産運用会社であるブラックストーンは7月、DIFCに新オフィスを開設する計画を発表した。これは地域拠点をアブダビに移してから6年ぶりのドバイ復帰となる。同社はどちらか一方を選ぶのではなく両方のオフィスを維持する方針であり、この一点はヘッドライン以上に判断の本質を物語っている。約1兆3500億ドル(約212兆円)を運用する機関は、感傷的な理由で地理的なヘッジを行ったりしない。
ドバイの経済成長エンジンは稼働を続ける
ドバイ経済観光庁によれば、戦争が貿易ルートを混乱させ領空の一時閉鎖を引き起こすなかでも、同首長国の経済は2026年第1四半期に前年同期比2.4%成長し、2320億ディルハムに達した。金融・保険サービスは6.5%成長、不動産は3.1%上昇した。Arab NewsがCBREを引用した報道によれば、同四半期にドバイのオフィス賃料は前年同期比14%上昇し、稼働率は95%近くを維持しており、低水準からの反発ではなく、真の需要を反映した逼迫市場となっている。
これらは戦争の代償を帳消しにするものではない。IMFは、ホルムズ海峡閉鎖が地域のエネルギー輸出に及ぼした影響を理由に、より広い中東地域の2026年成長見通しを0.7%に引き下げた。この引き下げは地域全体に適用される。だが、それはドバイを表すものではない。石油依存からの脱却という、ドバイが一世代にわたって追求してきた戦略こそが、同市の数字が周辺地域と異なる動きを見せた理由そのものだ。
AIエコシステムは構築を止めなかった
UAEは同じ期間を、本格的なAIハブとしての地位を固めるために活用した。Middle East AI Newsによれば、ドバイの看板航空会社であるエミレーツ航空はOpenAIと戦略的提携を結び、ChatGPT Enterpriseを全社で展開するとともに、社内AIセンター・オブ・エクセレンスを構築する。ドバイ住民には、UAEが先進AIツールを首長国全体の日常生活に組み込もうとする広範な取り組みの一環として、ChatGPT Plusへの無料アクセスが提供された。
この展開は、UAEのStargateインフラ構築と並行して進んでいる。Gulf Newsによれば、Stargateは国境を越えたアブダビを拠点とし、OpenAI、Oracle、Nvidia、SoftBank、Ciscoが支援する、この種としては最大規模のAIデータセンタープロジェクトだ。ドバイとアブダビは、一方が演算能力を構築し、他方がその上での商業的な応用を進めるという、同一戦略の両輪としてますます機能するようになっている。
試されても壊れなかったブランド
世界中のあらゆる都市が、投資家、旅行者、そして人材に向けて語るブランドストーリーを持っている。その大半は、実際の戦争によって試されたことはない。ドバイのそれはまさに試されたばかりで、8月までのデータはそのストーリーが揺るがなかったことを示している。ホテル稼働率は回復し、金融機関は依然として数千単位で登録を続け、GDPは最悪期を通じて成長し、首長国のAI採用への推進は紛争下でも歩みを止めなかった。
野心をインフラへと変えることで名声を築いた都市は、より難しい論点を証明してみせた――スケールのために築かれたインフラは、圧力下でも崩れ落ちない、ということを。ストレステストにかけられ、そして、持ちこたえるのだ。



