私がメンターを務めるシード期の創業者から最近、物事が計画通りに進んでいないとき、取締役会に対してどこまで正直になるべきかという相談を受けた。彼女に答えるうちに、私自身がもっと早い時期に誰かからもらいたかったアドバイスをしていることに気づいた。
創業者は、資金調達やプロダクトマーケットフィット(PMF)の達成、ゴー・トゥ・マーケット(GTM)戦略の構築については多くの指導を受ける。しかし、資金調達の「後」に何が起こるか、つまり、自社に対して大きな影響力を持つことになる人々、すなわち「取締役会」といかにして効果的な関係を築くかについて語られることは、はるかに少ない。
アーリーステージの投資家はよく、創業者に賭けていると言う。私もそれを頻繁に耳にし、常に革新的でビジョンがあり、差別化された存在でいなければならないというプレッシャーを感じていた。期待感を維持し、クリエイティブな答えを提示し、常に先を考えている姿を示す責任が自分にあるように感じるのだ。
しかし、管理の行き届いた会社を築くという現実は、それほど華やかなものではない。仕事の大部分は地味な管理業務だ。財務統制の確立、レポートシステムの構築、意思決定プロセスの明確化、そして成長を支えるインフラの整備などである。
私は、取締役会が見えない問題を解決することはできないと知るまで、イノベーションへのこだわりを取締役会の場にも持ち込んでいた。以下は、アーリーステージの自分自身に送りたいアドバイスだ。
取締役会には、進捗だけでなく課題も持ち込むこと
アーリーステージの取締役会メンバーは、企業のビジョン、モメンタム(勢い)、そして進捗を聞きたがる。そうした話は会議で行うべきだが、それだけで時間を費やしてしまうべきではない。
何がうまくいっていないのか、どの前提が間違っている可能性があるのか、会社がどのようなリスクに直面しているのか、あるいは経営陣だけでは解決できないことは何かを議論する余地を残すことだ。取締役会の視点が結果に重大な影響を与え得る2、3の決定事項に議論を集中させる。成功した取締役会とは、出席者全員が事業パフォーマンスについてより鋭い見通しを持ち、将来のリスクを軽減する方法についてより明確な理解を得て席を立つ会議である。
自分の考えに異議を唱えてくれる取締役を見つけること
最も強い創業者は、称賛ではなく異議を求める。ありふれた表現に聞こえるかもしれないが、これを実践するための戦術的な方法がある。それは、自分が属する業界の既成分野出身の社外取締役で取締役会を構成することだ。
私にとって最も有益だった取締役の何人かは、アーリーステージの創業者から見れば「オールドスクール(古風)」と思われるような人々だった。彼らは、歴史的に物事がどう進められてきたか、システムがなぜそのように機能しているのか、そして一見明白に思えるイノベーションがなぜ実行困難なのかを知っている。彼らは真に先を見通し、知恵をもたらしてくれる。
自社よりも数段階進んだフェーズの企業を経営した経験のある人を優先することだ。彼らは、いつマネジメント層を追加すべきか、どの役員の採用が時期尚早か、規模が拡大するにつれてマージン(粗利益率)がどう変化するか、そしていつ成長がオペレーティングモデルに負担をかけるかを予測できる。
また、計画の穴を突き、自分が何を過小評価しているかを説明してくれる人物も必要だ。取締役は、その名前がもたらす信用だけでなく、自社に必要な専門性に基づいて選ぶべきである。
機会とリスクを同時に検証すること
創業者は機会の大きさを語るように訓練されている。取締役会は、その機会を捉えるために何が真実でなければならないかを検証する手助けをするべきだ。
あらゆる重大な意思決定において、以下を問いかけること。
• 自社のモデルにおいて、最も「信じるべき(前提となる)」要素は何か。
• どのようなマクロ環境が、計画とは異なる結果をもたらす可能性があるか。
• タイムラインが2倍になった場合、必要な投資はどうなるか。
• 後戻りすることが困難な「一方通行のドア」となる決定はどれか。
具体的な事業計画に基づいて資金を調達すること
創業者はよく、資金が手に入るときにできるだけ多く調達すべきだと言われる。特に初めて起業する人は、株式の希薄化以外に大口の資金調達がもたらす影響を推し量ることができない。しかし、過剰な資金の二次的・三次的な影響として、焦点の定まらない採用、組織の肥大化、固定費の上昇などが挙げられる。また、会社がお金が豊富にあるかのように動き始めると、従業員に倹約精神を持たせることが非常に難しくなる。チームはより大きな予算や、より迅速な支出にすぐに慣れてしまう。その規律を失うと、元に戻すまでに何年もかかることがある。
調達する資金を、具体的な優先事項、マイルストーン、期待される成果に結びつけること。妥当なバッファー(余裕)は持たせるべきだが、銀行の預金残高と事業の進捗を混同してはならない。
評価額(バリュエーション)も重要だ。高い評価額は承認されたような気分にさせるが、将来の成長への期待値を高め、次のラウンドでの柔軟性を制限する可能性がある。また、従業員が評価額を「会社がすでに成功した証拠」と解釈すれば、財務規律を維持することが難しくなる。事業計画に基づいて責任を持って活用できる額を調達し、資金の1ドル(約1万未満円)1ドル(約1万未満円)が貴重に感じられていた頃の規律を維持することだ。
プロダクトを作るのと同時にビジネスモデルも構築すること
「まずはプロダクトを作ればいい」というアドバイスを鵜呑みにし、売上やマージンは後からついてくると考えてはならない。アーリーステージの創業者だった頃、私はこのようなアドバイスを何度も耳にした。一部のベンチャーキャピタル(VC)は、「我々は経済性を今すぐ証明するよう強制しない」といったことを、自らのファンドを選ばせるためのセールストークとして使っていた。問題は、そうすると自社がさらに(そして何度も)資金を調達するために、彼らに完全に依存することになる点だ。
誰が支払うのか、なぜ支払い続けるのか、サービスの提供にいくらかかるのか、そしてその経済性が規模の拡大とともにどう変化するのかを理解すること。パフォーマンスを可視化するために、組織構造に深く投資する。経験豊富な「修羅場をくぐり抜けてきた」取締役会メンバーを活用し、事業の重要な側面をすべて把握できているかを確認する。彼らにレポートの問題点を厳しくチェックしてもらう。早い段階でこれを軌道に乗せ、改善を繰り返すことだ。後からこれらを重ね合わせるのは非常に困難である。
かつて私は、取締役会における自分の仕事は会社に対する信頼を維持することだと思っていた。しかし、現在の私は、より良い意思決定を行うための環境を整えることだと信じている。適切な取締役会は、あなたの考えに異議を唱え、野心を経営の現実に根ざしたものにし、持続可能な企業を築く手助けをしてくれるはずだ。



