北米

2026.10.01 11:30

イーロン・マスク、米軍の兵器開発プロジェクトの共同リーダーに 「未来の戦争」研究

米首都ワシントンのホワイトハウス・ウエストウイング(西棟)前で2026年9月29日、ドナルド・トランプ米大統領とAI企業幹部らによる記者会見に臨むイーロン・マスク(Finn Gomez/Getty Images)

米首都ワシントンのホワイトハウス・ウエストウイング(西棟)前で2026年9月29日、ドナルド・トランプ米大統領とAI企業幹部らによる記者会見に臨むイーロン・マスク(Finn Gomez/Getty Images)

ピート・ヘグセス米国防長官は、未来の戦争について研究する国防総省の「プロジェクト・メリディアン」を立ち上げ、スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を共同リーダーに起用した。米軍の新兵器・新技術の研究・特定・開発提案を行うこの新たなイニシアチブにおいて、米テック界の大物富豪が主導的な役割を担うことが明らかになった。

ヘグセスによるとマスクは、米防衛テック企業アンドゥリル創業者でVR(仮想現実)ヘッドセット「オキュラス・リフト」を開発したパーマー・ラッキー、共和党のニュート・ギングリッチ元下院議長と共同で本プロジェクトを率いる。

「プロジェクト・メリディアン」の発足に関する覚書によれば、このイニシアチブでは「未来の戦場のあり方を研究」し、米軍兵士が「そのような環境で優位に立つ」ための兵器や技術を特定し、「それらの能力の開発、試験、実戦配備を開始する」ためのソリューションを提案するとされる。

覚書にマスクの名前は明記されていないが、「プロジェクト・メリディアンはペンタゴン外部からの多角的な視点を活用し、一流の技術者、イノベーター、ビジネスリーダー、政策立案者、国家安全保障の専門家からなるグループの知見を取り入れる」と記されている。

プロジェクトの調査結果と提言は、遅くとも2027年1月28日までにヘグセスに提出することが求められている。国防総省のウェブサイトによると、この提言は非機密報告書として公開される予定だ。

DOGE以来の政権関与

マスクにとっては、政府効率化省(DOGE)を率いて以来のトランプ政権への直接関与となる。マスクは特別政府職員としてDOGEを率いたが、法定の130日間の任期満了後に辞任した。「プロジェクト・メリディアン」においては、公式な役職というよりも顧問のような役割を担うようだ。

マスクは2024年の米大統領選挙でトランプを支持し、多額の献金も行い、第2次トランプ政権の最初の数カ月間は「ファーストバディ(First Buddy)」との呼び名を快く受け入れていた。しかし、マスクがトランプの大型減税法案「1つの大きな美しい法案」を激しく非難し、米国の財政赤字を悪化させると主張したことで両者の関係は決裂。マスクは新政党の結成を示唆し、トランプはテスラとスペースXへの連邦補助金の打ち切りをほのめかした。両者の対立は2025年6月、マスクが「未公開のエプスタイン文書にトランプの名前が記載されており、それが公開されていない理由だ」と主張したことで最高潮を迎えた。

その後、マスクとトランプの関係は改善しており、今週ホワイトハウスで行われた米テック界幹部とトランプの会談でもマスクが重要な役割を担った。この会談は、人工知能(AI)と人類の存続に関わる短期的な脅威をめぐる懸念の高まりを受けて行われた。

(forbes.com原文)

翻訳・編集=荻原藤緒

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