米国時間9月30日、モデルナの株価が取引開始直後に7%以上急落した。シティグループが同社株の投資判断を「売り」に引き下げたことが要因だ。がんワクチンの第3相臨床試験(フェーズ3)の良好な結果を受けて株価が高騰したが、シティはそれにより膨れ上がった現在の時価総額は「正当化できない」と指摘している。
シティがモデルナ株を「中立」から引き下げ、目標株価は終値約203ドルを約60%下回る水準
シティグループのアナリストであるジェフ・ミーチャムは、モデルナの投資判断を「中立」から引き下げた。一方で目標株価は60ドルから80ドルへと引き上げているが、これは9月29日の終値203.46ドルを約60%下回る水準だ。30日の市場でモデルナ株は7.61%安で寄り付き、187.98ドルで推移している。
モデルナの株価は今年8月中旬以降に220%以上も上昇していた。同社がメルクと共同開発した、リスクの高い悪性黒色腫(メラノーマ)向けワクチン「intismeran autogene」の良好な治験結果を発表したことがきっかけだった。
株価に見合う売上は年間約2兆円、シティ試算では数分の一
現在の株価を正当化するためには、モデルナはがん治療分野で年間約130億ドル(約2兆800億円)の収益を生み出す必要がある。しかしシティの財務モデルでは、モデルナの売上高は130億ドルの数分の一にとどまると推計されている。現在の株価は、現実的な事業のキャッシュフローが示唆する水準のほぼ7倍に達しているという。
mRNA特許訴訟で、連邦地裁がモデルナの却下申し立てを退ける
今回の格下げは、デラウェア州の連邦裁判所がモデルナの訴えを退けた2日後に行われた。この訴訟は、同社のmRNAプラットフォームで使用されているコア技術の特許侵害に関わるものだった。



