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2026.10.02 13:00

AMDのAI支援ツール「Ross」、組み込み開発を横断し設計・検証・デバッグを自動化

gguy - stock.adobe.com

AMDの設計ノウハウを「エージェントスキル」として再利用

Rossの中核の1つが、専門家が作成した再利用可能な作業手順「エージェントスキル」のライブラリーだ。対象には、タイミング最適化、HLSアーキテクチャーの改良、RTLの静的検査、デバッグ、MATLABからC++への変換などがある。いずれもAMDが実証してきた開発手法を活用する。

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RossはAMD社内に蓄積した設計知識を開発工程へ直接組み込み、同社のノウハウを顧客の技術チーム全体で利用できるようにする。顧客は不足しがちな専門家への依存を減らし、複数の開発案件で作業の一貫性を高められる可能性がある。

AMDにとっては、作業工程や技術チームがRossのスキルへ依存するほど、別のツール群へ移行しにくくなる。その結果、自社プラットフォームへの囲い込みを強められる。

1つの指示からVersalとRyzenをまたいで作業を進める

Rossのスキルは、異なる分野の作業を連携させるマルチエージェント工程にも対応する。例えば、複数カメラを使った認識処理を1つの指示で説明すると、Rossは仕様を生成し、VersalとRyzenへ計算処理を振り分ける。その後、ハードウェアへの対応付けと検証まで進める。

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RossはFPGAの回路ロジック、演算処理、組み込みソフトウェアなどをまたいで文脈を保つ。従来は複数チーム間の調整を必要とした作業を、1つの流れとして扱える点が特徴だ。

MCPと知識基盤でクラウド接続・隔離環境の双方に対応

Rossは、MCPサーバー、AMD Knowledge Base、エージェントスキル、設計例という4つの主要要素で構成される。MCPサーバーはAIエージェントをAMDのツールへ直接接続する。これにより、コマンドの実行やツールの状態確認、設計環境内部の情報取得が可能になる。

AMD Knowledge Baseは、検証済みの技術文書、手引き、ホワイトペーパー、既知の問題や解決策をまとめた回答記録を提供する。オンラインだけでなく、外部ネットワークから切り離した環境でも利用できる。エージェントスキルは再利用可能な作業工程を記述し、設計例は実際の用途での使い方を示す。

この構成により、Rossはクラウド接続環境でも完全なオフライン環境でも動作できる。外部接続を制限する必要がある防衛、産業、自動車分野では特に重要な機能だ。これらはAMDのアダプティブコンピューティング技術が広く使われる分野でもある。

外部ネットワークから切り離すエアギャップ環境では、Rossの知識基盤やMCPをローカルで動かせる。クラウドで発生するAI推論費用を避けながら、機密データを企業内に保持できるため、規制の厳しい業種がAIを導入する際の障壁にも対応できる。

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