9月28日、スペースXの超大型宇宙輸送機「スターシップ」が打ち上げられ、地球周回軌道を航行することに初めて成功した。これまでのスターシップはすべて、地球周回軌道には乗らない準軌道を航行してきた。しかし、通算14回目となる今回のフライトでは、高度275km超(遠地点)の地球周回軌道を航行するとともに、次世代大型衛星「スターリンクV3」26基の軌道投入および展開に成功した。
これまでの打ち上げは「テストフライト」と呼ばれてきた。しかし、今回の打ち上げは、スターリンク衛星が実運用されることから正規ミッションとされる。つまり、このミッションによってスターシップが正式にデビューしたことになる。全長124mを誇るスターシップは、実運用されたロケットとしてはアポロ計画で使用されたサターンV(110.6m)を抜き、史上最大のロケットとして記録された。
ただし、そのフライトは多分にリスクを伴うものとなった。打ち上げから2分20秒後、ブースター(第1段)を切り離したシップ(第2段)は、6基のエンジンを点火して加速しはじめたが、うち1基に不具合が発生。予定では約6分燃焼するはずが5分弱で停止した。
周回軌道への投入は辛うじて決行されたものの、このトラブルによってシップは早期に帰還することになった。その結果、本来であれば約10時間かけて地球を6周するはずだったが、周回軌道から離脱したシップは打ち上げから3時間8分後、ハワイの北方約800kmの北太平洋に軟着水した。
今回の打ち上げでスターシップは、スターリンク衛星の展開など、さまざまな実証ミッションを成し遂げた。しかし、有人宇宙船としての運用などが予定されるスターシップにおいては、大きな課題が残るミッションとなった。
エンジン2基に不具合、停止
日本時間の9月28日21時49分、テキサス州ボカチカにあるスペースXの私設射場「スターベース」から、スターシップ14は打ち上げられた。
打ち上げから約1分後には、機体にもっとも大気圧がかかるマックスQを通過。しかしその約10秒後には、33基搭載されたブースター(第1段)のエンジンのうち1基が停止した。ただし、これによって大きな支障は発生しなかった。



