先日のエミー賞授賞式では、すべてのリーダーが注目すべき2つの場面が生まれた。
ひとつは「弱さをさらけ出すこと」について。もうひとつは「寛容さ」について。
この2つは、共感に基づくリーダーシップは決して甘いものではなく、むしろ高いパフォーマンスを発揮するチーム、受賞に値するプロジェクト、そして人が属したいと願う組織文化を生み出す原動力であることを、静かに、しかし力強く示していた。
マイケル・J・フォックス:リーダーが隠すものこそ、最大の信頼を築くことがある
第78回プライムタイム・エミー賞で、マイケル・J・フォックスはボブ・ホープ人道賞を受賞した。エミー賞の歴史でわずか7回しか授与されていないこの賞を受け取った彼は、その場で長年ひとりで抱えてきた思いを語った。
「最初は、パーキンソン病と診断されたことを秘密にしていました」とフォックスは観客に語った。「仕事や観客との関係に影響するのではないかと心配だったのです。病気だと知られたら、みんな笑ってくれるだろうか、と」
そして彼はこう続けた。「皆さんからの支えに、私は本当に驚かされました。とても励まされました。おかげで、これからも続けていける、自分がやってきたことは失われていない、誰にも奪えないものなのだと感じられました。それは皆さんが私のために立ち上がってくれたからです。心から感謝しています」
フォックスが語ったことは、善意あるリーダーが日々行っていることでもある。つまり、苦しみ、不確実性、恐れを「強さ」の演出の背後に隠すことだ。その理由も理解できる。自分が迷っていると知られたら、部下は不安になるのではないか。すべての答えを持っているわけではなく、万全ではないと知られたら、信頼を失うのではないか。弱いと思われ、この状況を率いていく力がないと見なされるのではないか。
しかしフォックスの経験、そして何十年にもわたるリーダーシップ研究は、その逆が真実だと示している。弱さを見せることは信頼を損なわない。むしろ信頼を築くのだ。リーダーが困難を言葉にすれば、人々も同じように語ってよいのだと感じる。結局のところ、周囲は何が起きているかをわかっている。今、私たちは混乱を伴う変化の時代にいる。不安や恐れを感じていないふりをする人は、見透かされる。今、誰も答えを持ってはいない。だから、取り繕うのはやめるべきだ。私たちが本当に必要としているのは、「確信ある弱さ」を表現できるリーダーである。「私にも確信はない。私も不安だ。そして、私たちはこの問題を一緒に解決していく」。そこにこそ、本当のつながり、本当の協働、本当の成果が生まれる可能性がある。
信頼と心理的安全性は、偽りの人格をまとってではなく、誠実さによって築かれる。マッキンゼーのパートナーであるダナ・マオールらは著書The Journey of Leadershipで、こう書いている。「チームが失敗する最大の理由は、信頼の欠如である。弱さを見せることの究極の目的は、リーダーが同僚の考えや洞察を招き入れる許可を自分に与えることにある。それが、結果として信頼を築く。したがって、リーダーとして信頼されたいなら、自らの弱さを示す必要がある」
フォックスは、自らの苦しみを共有し、キャリアを続け、自分の影響力を他者のために使うことで、弱さを見せる姿を体現した。テレビ界最大級の舞台でそれを示し、会場は涙と2度のスタンディングオベーションで応えた。
スティーブン・コルベア:優れたリーダーは、自らの立場を他者を押し上げるために使う
スティーブン・コルベアのThe Late Show でのエミー賞受賞は、21年にわたる司会者としてのキャリアの(現時点での)節目を飾るものだった。だが彼は最後の受賞スピーチを、自身の功績を振り返ることにも、自分に対する不当な扱いを指摘することにも使わなかった。高い姿勢を保ち、自分のチームのために語ることに費やしたのだ。
「こうした深夜番組について言えるのは、安定した素晴らしい仕事であるだけでなく、非常に多くの人を必要とするため、若い人たちが入ってきて、締め切りの中でプロとして、協力し、協働して働くことを学ぶ素晴らしい育成の場になるということです。それこそが、私たちが守らなければならないこの業界の未来です」とコルベアは語った。そして、彼らしい軽妙さを交えながら、会場に直接こう呼びかけた。「いい知らせがあります。彼らはみな、すぐに働ける状態です。雇ってください。あなたの番組をより良くし、あなたの一日をより楽にしてくれるはずです」
これこそ、サーバントリーダーシップの実践である。
コルベアは最後の舞台を、自分の功績を固めるために使わなかった。他者のキャリアを前に進めるために使ったのだ。彼は、私が執筆や講演で語っている、今日最も有効なリーダーを定義する「両立思考(Both/And thinking)」を、まさに示した。自分の達成を祝うこともできるし、それによって他者を押し上げることもできる。自分の成功を手にしながら、次世代に投資することもできる。そうしてこそ、危機や変化の中で人々がついていきたいと思うリーダーになる。
2人を結ぶリーダーシップの糸
フォックスとコルベアが月曜の夜に見せたのは、単に受賞スピーチでの立派な振る舞いではない。2人は、共感が優れた強いリーダーシップの中でどう表れるかについて、力強い2つの教訓を体現した。
自分への共感:フォックスがついに自らの苦しみを明かし、無敵を演じるのをやめ、誠実さは批判ではなく支えで返ってくると信じた勇気である。
チームへの共感:コルベアが自分の瞬間を、自分について語るためではなく、他者に扉を開くために使った寛容さである。
多くのリーダーは、そのどちらにも慣れていない。弱さを見せることが弱点に感じられるため、自らの苦しみを隠す。そして、称賛が通貨のように感じられるため、自らの立場を抱え込む。どちらの本能も理解できる。しかし、どちらも静かに蝕んでいく——信頼を、文化を、そして組織を長期的に支える本当の成果を。
困難なときに示す姿こそ、最も重要である
あなたのチームは、あなたがどう振る舞うかを見ている。物事が順調なときだけではなく、困難なときにこそ見ている。あなたが自分の立場を、率直に共有し他者を押し上げるために使うのか、それとも自分を守るために使うのかを見ているのだ。



