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2026.10.14 14:15

顧客は「AIに説明聞いてから」会いに来る。AIが見ている媒体はどれだ?

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企業の評判は、経営者の発言や報道だけでなく、AIを通じても形成され得るようになった。Brunswick Group(以下、ブランズウィック)東京オフィスが自社のAIチームと連携して日本の大手企業を対象に引用元を調査・分析したところ、同じ企業についても、言語、AIサービス、質問内容によって回答の材料が変わっていた。AIを情報の受け手として意識した対応が求められる。

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企業が目を向けるべき情報接点は「一つ増えて」いる!

あなたが経営者だとする。次の投資家面談の前に、相手は既にAIに自社の成長戦略やリスクを尋ねているかもしれない。経営者が目の前の投資家に説明を始める前に、どのような情報をもとに、どのような理解ができあがっているのか。企業が目を向けるべき情報接点が一つ増えている。

ブランズウィックが2026年に公表した米国の機関投資家100人への調査では、54%が生成AIを投資リサーチで「ある程度重要」「重要」「非常に重要」のいずれかと回答し、42%が新たな投資案件の詳細な調査にAIを利用していた。一方、経営陣との直接対話を「重要」「非常に重要」とした回答は77%で、企業開示は66%、IRとの対話は63%だった。設問の集計区分が異なるため数値の単純比較はできないが、AIの活用と、人や企業の一次情報を重視する姿勢が併存していることが分かる。(Brunswick Review, “Brunswick’s 2026 US Investor Survey”, 2026年2月9日。米国の機関投資家100人(ロングオンリーとヘッジファンド各50人))

これは、AIが投資判断を代替したという話ではない。投資家が情報を探し、整理し、比較する過程に、メディアや検索エンジンに加えて、もう一つ仲介者が加わったということである。しかもこの新しい仲介者は情報をまとめて提供するため、読まれない情報は存在しないことになってしまう。では、そのAIは日本企業について何を読んでいるのか。

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そこで、ブランズウィックの東京オフィスでは、自社のAIツールAlgorithmic Relations(アルゴリズミック・リレーションズ)を運用する専門チームと連携し、2026年7月末時点の国内市場における時価総額上位の日本企業10社を対象に、ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityが回答時に引用した情報源を調べた。英語と日本語で同じテーマの質問を設定し、引用元をドメイン、AI、質問内容ごとに分析した。

AIが読むのは、企業が想定した情報だけではない

引用元に並んだのは、企業のウェブサイトやニュースリリース、主要メディアだけではなかった。金融データ、公的機関の資料、Wikipedia、採用・口コミサイト、LinkedIn、YouTube、noteなど、多様な情報源が企業についての回答に使われていた。

例えば、働く場所としての企業について尋ねる質問では、日本語では採用・口コミサイトに加えてnoteが引用され、英語ではGlassdoorやIndeedだけでなく、オンライン掲示板型のコミュニティ・プラットフォームであるRedditも引用されていた。企業の採用ページを整え、主要な口コミサイトを確認するだけでは、AIが参照する情報のすべてを把握したことにはならない。

企業の内部では、投資家との対話はIR、採用は人事、報道対応は広報というように、機能ごとに情報を扱う。しかし、AIが企業について回答する際の情報源は、その分担に沿って区切られているわけではない。ある部門にとっては周辺的な情報でも、特定の質問への回答では重要な材料になり得る。

本調査は各社が実際に何をモニターしているかを調べたものではない。したがって「人事やIRが見落としていた」とまでは言えない。それでも、企業が想定する情報接点と、AIに引用される情報源を照合する必要性は見えてくる。発信先の一覧だけでなく、重要な質問への回答に実際に引用される情報源を起点に、確認対象を見直すことである。

例えば採用に関する問いであれば、人事が引用内容を確認し、広報とともに事実の相違や説明の不足を検討する。すべてのサイトを監視するのではなく、意思決定に関わる問いから優先順位をつける。

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文=唐木明子

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