米航空機大手ボーイングの株価は、米国時間2026年9月28日(月)の取引終了時点で、7%近く急落した。同じ日の市場全体の下げは0.8%にとどまっており、ボーイング株の下げはそれを大きく上回っている。この急落のきっかけは何だったのか。
737 MAXのソフト不具合でMAX 10の承認が停止
ボーイングの株価急落を招いた主な要因とみられるのは、737 MAXのソフトウェアに不具合があるというニュースと、それに続いた規制当局の精査である。この不具合を受けて、ボーイングを監督する米連邦航空局(FAA)は、737 MAXシリーズで最も大きい機種であるMAX 10の承認を保留した。同じ日、同業の航空宇宙・防衛大手であるRTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)とノースロップ・グラマンの株価は、それぞれ0.9%下落した。米国の主要企業500社で構成する株価指数、S&P500とほぼ同じ下げ幅である。つまり、大きな売りはボーイング株に集中していた。
737 MAXのソフトウェア不具合は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが米国時間9月26日に報じた。ボーイングによると、一部の737 MAXにこの不具合があることを指摘したのは、同社自身だという。着陸進入時に自動航法機能(オートパイロット)が不意に解除される不具合が判明した。ボーイングは、安全上の問題はないとの立場をとっており、修正用のソフトウェアを開発している。
FAAは米国時間9月28日、機体の設計が安全基準を満たしていると航空当局が認める安全性が完全に確認・検証されるまで「MAX 10」の型式証明(Type Certificate)を発行しないと表明した。この承認がなければ、ボーイングはMAX 10の引き渡しを始められない。
MAX 10の引き渡しは、いつ始まるのか
承認の時期は、いまのところ決まっていない。FAAが9月28日の表明で、時期を示さなかったためだ。FAAは8月、より小型の737-7(MAX 7)を承認した。MAX 10もこれに続いて承認を受け、2027年に引き渡しを始める予定だった。だが、その承認はいま、不具合が解決するまで止まっている。
MAX 10は、ボーイングの最大の事業である民間航空機部門に属している。ボーイングは決算で、事業を民間航空機、防衛・宇宙・セキュリティ、グローバルサービスの三つの部門に分けており、売上高が最も大きいのが民間航空機部門である。同部門の2025年度売上高は、415億ドル(約6兆5600億円)だった。
MAX 10単独の売上高は、公表されていない。そもそもMAX 10の引き渡しは、2027年まで始まらない予定だった。つまり、型式証明の遅れが影響するのは、いまの売り上げではなく、2027年以降の売り上げだ。



