米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、従来のモーターではなく、生きた筋肉細胞を動力にして泳ぐ小型ロボットを開発した。研究者らによれば、この技術は、傷つきやすい環境の探査や、マイクロサージェリー(微小外科手術)などに利用できるという。
MITの広報サイトMIT Newsによると、MITの科学者らが開発した「紙のように薄い」ロボットは、迷路を泳ぎ切ることができた。このロボットは、光の点滅に反応するよう改変した生きた筋肉細胞を使って作られている。
ロボットの大きさは板ガム1枚ほどの長さと幅で、表面は、髪の毛1本よりも薄い筋肉細胞の層で覆われている。研究者らによれば、筋肉で動く薄い2次元のロボットで、移動までできるものは、これが初めての例だという。
研究チームは米国時間9月29日、材料科学の学術誌『Advanced Functional Materials』に論文を発表した。それによると、このロボットは、最も速いときで1分間に体長の約4倍の距離を泳げる。研究を率いたMIT機械工学科のリトゥ・ラマン准教授は、この速さについて、ロボットがその大きさの割に「かなり力が強い」ことを示していると言う。
ラマン准教授が同サイトに語ったところによると、生きた組織を電子部品などの人工の材料と組み合わせた「バイオハイブリッドロボット」(biohybrid robot)は、これまでに作られたものの大半が「かさばる」うえに、何百万個もの細胞を必要とする。ラマンは、こうした既存のロボットに比べて、自身のチームが開発したロボットなら、より安く作れる可能性があり、より効率よく動けるかもしれない、との見方を示した。
ラマンがMIT Newsに語ったところによると、研究チームの次の目標は「より速く泳げるよう、体の設計を最適化すること」だという。ただしラマンは、いまの遅い速さのままでも、水中の環境モニタリングには使える可能性があると述べている。



