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競合他社がシリコンカーボン(ケイ素炭素複合材)バッテリー技術とそれがもたらす大容量化に真っ先に飛びつく中、アップルは「iPhone 18」シリーズにおいて、昔ながらのリチウムイオンバッテリーを採用して安全策をとった。同社がこの新しいバッテリー技術を採用しなかった理由は納得のいくものだが、だからといって、シリコンカーボンが近い将来に実現するであろう超ロングライフのバッテリー寿命に、アップルが魅力を感じないというわけではない。
iPhone 18は変革よりも現状維持を選択
シリコンカーボンバッテリーは、特に折りたたみスマートフォンにおいて大きなメリットがある。従来のリチウムイオン電池と同じ物理的スペースに格段に多くのエネルギーを蓄えることができるため、サムスンはこの夏に発売した「Galaxy Z Fold 8 Ultra」にこれを採用し、「Fold 7」よりも薄い筐体に600mAh(ミリアンペアアワー)増量となる5000mAhの電池を収めた。
サムスンの勢いはそれだけにとどまらない。「Galaxy S27 Pro」と「Ultra」には、それぞれ約5200mAhと約5700mAhのシリコンカーボン電池が搭載される予定だ。Galaxy Sシリーズのスマートフォンが5000mAhを超えるのはこれが初めてとなる。中国メーカーはすでにその先を行っている。シャオミ(Xiaomi)の「Redmi Note 17 Pro Max」には、1万mAhのシリコンカーボン電池が搭載されている。
アップルの「iPhone 18 Pro Max」は最大45時間のビデオ再生時間を実現しており、これはアップル史上最長のバッテリー寿命である。しかし、それはより大型の、あるいはエネルギー密度の高い電池によるものではなく、ソフトウェアの効率化、「A20 Pro」チップの電力最適化、「C2」モデムによる15%のエネルギー削減、そして新しい「M16」有機EL(OLED)ディスプレイによるものだ。
アップルは、新しい技術を導入するのではなく、既存の技術からさらなる能力を搾り出したのだ。仮にエネルギー密度がはるかに高いシリコンカーボンバッテリーを採用していたら、どのようなことが可能になっていたか想像してみてほしい。
アップルがiPhone 18のバッテリーで安全策をとった理由
アップルをはじめ、シリコンカーボンを避けている電子機器メーカーにおける共通の認識は、サイクル寿命(充電を繰り返せる回数)とのトレードオフだ。サムスンのGalaxy Z Fold 8の充電サイクル定格は1200回で、Z Fold 7の従来型リチウムイオン電池の2000回と比較される。紙面上の定格寿命が40%も低下するというのは、一見すると厳しい状況に思える。
しかし、それがすべてではない。スマートフォンメーカーと取引のあるシリコン負極材料サプライヤーの取締役(匿名を希望)は、サイクル寿命の単純な比較だけでは全体像を把握できないと語った。
シリコンカーボンバッテリーは、従来のリチウムイオンバッテリーよりも最初から約20%多くのエネルギーを備えている。ユーザーが毎日同じレベルまでスマートフォンを充電する場合、シリコンカーボン電池の放電深度(充電の減り具合)は浅くなる。そのため、実際の使用におけるサイクル数は、定格数値を実質的に上回ることになると彼は説明する。
彼の計算によると、1日平均50%の放電深度で使用される1200サイクルのシリコンカーボンバッテリーは、約7.9年後に本来の容量の80%に達する。これに対し、2000サイクルのリチウムイオンバッテリーが同じしきい値に達するのは約11年後だ。
シリコンカーボンバッテリーが本来の容量の80%に達した時点でも、最初から20%多くエネルギーを備えていたため、実質的には新品のリチウムイオンバッテリーとほぼ同等の充電量を維持できていることになる。「それが7.9年であろうと11年であろうと、大半の人々がスマートフォンを所有し続ける期間よりもはるかに長い」と彼は語った。
また、サムスンによる1200サイクルという定格値自体についても、別の興味深い疑問が存在する。従来のリチウムイオンバッテリーを採用している「Galaxy S26 Ultra」も今年、定格が「S25 Ultra」の2000サイクルから1200サイクルへと低下している。
もし定格の低下が純粋にシリコンカーボンのトレードオフによるものであるなら、リチウムイオンデバイスには適用されないはずだ。前述の情報筋は、これはバッテリーの化学的性質に起因するものではなく、サムスンの2026年のラインナップ全体に適用された異なる内部電圧モデルを反映している可能性があると示唆した。「バッテリーとは一種のブラックアート(秘術)のようなものだ」と彼は指摘した。
だからといって、アップルが導入を待っているのが間違いだということにはならない。アップルにとっての決定は、サイクル寿命の計算よりも、第一世代のテクノロジーが抱える初期不良によるレピュテーション(評判)コストのほうが重視される。
「iPhone 18 Pro」のバッテリー不具合に関するニュースは、「Galaxy Z Fold 8」のバッテリーに関するニュースよりも大きな打撃を与える。なぜなら、アップルのブランドイメージは信頼性の高いハードウェアの上に直接構築されているからだ。単に最新の刺激的なテクノロジーを追うだけではない。アップルは、不確実な一番手になるよりも、確実な二番手になることを好むのだ。
iPhone 18はともかく、アップルは2027年にシリコンカーボンを採用するか?
アップルが初めてシリコンカーボンを導入する候補としてより可能性が高いのは、「iPhone Air」またはその第2世代モデル(iPhone Air 2)だ。アップルのこの極薄デバイスは、昨年発売された際、バッテリー寿命の短さから苦戦を強いられた。
より薄いスマートフォンには物理的に小さなバッテリーが必要となり、「薄さ」を売り文句にするデバイスにおいてバッテリー寿命の短さが課題となる場合、1ミリメートルあたりの密度に優れたシリコンカーボンは、そのトレードオフに見合う価値を持つ。
また、この製品ラインはアップルにとって実験的な位置づけでもあり、問題が発生しても比較的容認されやすい。もし「iPhone Air 2」にシリコンカーボンバッテリーが搭載されることになれば、それが「iPhone 19」にも採用されたとしても驚くべきことではない。
FORBES | 執筆:ジェンホイ・マクレガー(Janhoi McGregor)
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