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2026.09.30 09:02

英国発のPapier、人間ならではの「手書き」という行為でAIに挑む

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英国発のPapier、人間ならではの「手書き」という行為でAIに挑む

AIはさまざまな理由で連日のように見出しを飾っている。そこには、ポジティブなシナリオであれ終末論的なシナリオであれ、常に背景に流れる共通のテーマがある。人間の地位が脅かされている、というものだ。これは、食物連鎖の頂点に立つ私たちの立場を危うくし、人間を人間たらしめているものを探し求め、味わおうとする動きを促している。共感は教えられるのか。創造性は巧みに作られたプロンプトの一部になり得るのか、それとも学習の過程でその才気を失うのか。出し抜かれたり、凌駕されたり、解読されたりすることのない、人間の経験に固有のものは本当に存在するのか。

Papier(パピエ)の創業者でCEOのテイムール・アティゲチは、手書きという芸術を、私たちの人間性を示す非常にわかりやすい例として提示する。「手書きは、自動化もテンプレート化も最適化もできない、数少ない行為の1つだ。オートコレクトもなければ、取り消しボタンもなく、次の言葉を提案するアルゴリズムもない。スピードと効率を何よりも重視する文化の中で、手書きは人にゆっくり進み、いまこの瞬間に意識を向けることを強いる」。彼はそれを、著者性の究極の証明だと呼ぶ。費やした時間も、ペンを握った手も偽ることはできないからだ。むしろ手書きは、一見すると苦もなく生み出されるAI生成コンテンツの世界に対する、静かな反逆なのである。

手書きは人間ならではの行為である

英国を拠点に成長を続ける彼のステーショナリーおよびライフスタイル企業、Papierは、彼の見立てが的を射ていることを示している。2015年に立ち上げられた同社は、過去10年でノートカード、便箋、グリーティングカードを1470万点以上販売しており、勢いが鈍る気配はない。アティゲチ(ペルシャ語で「美術商」を意味する)は、誰が買っているのかに注目すると示唆に富むと語る。「これは、昔からステーショナリーを愛してきた人たちだけの話ではない。デジタルネイティブとして育ったZ世代が、アナログ回帰というより大きな流れの一部として、手書きを積極的に選んでいる。フィルム写真、レコード、編み物の復興を後押ししているのと同じ文化的変化だ。当社はまた、商品を提供し、手紙を書くというシンプルな行為を軸に人々を結びつけることで、成長中のスネイルメール(郵便による文通)コミュニティも支援してきた」

アティゲチは16歳のとき、ポートベロー・ロードで最年少のアンティークディーラーとなり、中東各地の織物、陶磁器、オブジェを販売する露店を営んでいた経歴を持つ。彼はこう語る。「AIは完璧な一文を数秒で生成できる。しかし、文字を自らの手で紡ぎ出すという行為は再現できない。そこには間、完璧ではない部分、そして実在の人物が腰を下ろし、何かをじっくり考えた証拠がある。AIが文章を書き、デザインし、さらには私たちの声まで模倣できるようになるにつれ、手書きの価値は低くなるどころか、むしろ高まると思う。まさに、それが紛れもなく人間的なものだからだ」

ティム・ハードマン博士(Niche Science & Technology)は、この考えをデータで裏づけている。「科学的証拠は、ペンとその認知への影響が、今なおきわめて強力なツールであることを確固として示している。手書きという行為は、統合を求め、感覚運動ネットワークを深く結びつけることを通じて、受動的な書き写しでは再現できないレベルの概念処理と記憶の定着を促す」。言い換えれば、手書きはメディアであると同時にメッセージでもある。手書きのページは、書かれた言葉の総和をはるかに超えるものを伝えるからだ。「殴り書きには、自信、あるいはためらい、興奮、切迫感が刻まれる」とアティゲチは言う。「それはしばしば、ペンの筆圧、言葉と言葉の間隔、さらには文字がページ上で傾いていく様子に表れる。目に見える努力の一例でもある」

AIへの対抗軸

Papierの商品群はオンラインおよび一部小売店で販売されており、あらゆる種類のステーショナリー、ジャーナル、フォトブックなど多岐にわたる。その一つひとつに、アティゲチの細部へのこだわりと、ケンブリッジ大学で美術史を学んだ背景が表れている。「アンティークの織物を売った経験から、重さ、織り、細部、そして商品を手にしたときの感触に細心の注意を払うことを学んだ。Papierでもそれは非常によく似ている。私たちは紙質、印刷の仕上がり、色について、布のドレープを考えるのとほぼ同じように考える。すべては、選ぶ素材が体験のされ方を形づくるという信念に基づいている」

「当社のクリエイティブチームはここロンドンに拠点を置いており、従来のステーショナリーブランドというより、デザインハウスに近いかたちで運営している。アルゴリズムによるトレンド追跡ではなく、カルチャーへの洞察に根ざした季節ごとのコレクションを構築している」と彼は語った。遊び心のあるデザインと、鮮やかな色彩が特徴だ。「当社のデザインはまず手描きされ、その後チームがデジタルで商品に落とし込む」

「テクノロジーには非常に大きな価値がある」とアティゲチは締めくくる。「しかし、それには決して置き換えられないものがある。手書きはきわめて個人的なものだ。愛する人からの手紙であれ、自分自身のToDoリストであれ、文字の形づくり方は、その人だけのものだ」。そして、それを置き換えられるアルゴリズムは存在しない。

(forbes.com 原文)

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