ヘルスケア

2026.10.02 17:00

1万6000人に1人の確率、肺がんのリスクを25倍高める遺伝子変異が特定される

stock.adobe.com

また、喫煙歴のない人同士では、この変異を持つ人は、肺がんを発症する確率が60倍も高かった。これに比べると、喫煙者におけるリスク増大率は少なく見えるが、これは、喫煙そのものが肺がんのリスクを大幅に高めるためであり、変異を持つ非喫煙者の発症リスクが、変異を持つ喫煙者より高いことを意味するわけではない。

advertisement

肺がんのほとんどの症例は、たばこ製品の使用、時には環境曝露や職場での曝露と関連しているが、喫煙歴がなく、ほかの主要なリスク因子との明らかな関連もない人が肺がんを発症するケースも増加している。こうした症例がなぜ発生するのかについて、世界中で解明が進められているが、今回の研究によって、少なくともその一部は、この遺伝的変異に起因することが示された。

この変異はまれなもので、この研究によると「約1万6000人に1人」という割合でしか確認されていないが、家族に肺がんの症例が多い場合、特に非喫煙者や若年者が発症している場合は、検査を受けたり、専門家の助言を求めたりする価値があるかもしれない。

ロピコロ博士は、「この変異を持っているのではないか、この変異を持つ家族がいるのではないかと心配している人は、遺伝学の専門家、あるいは、担当のがん専門医に相談するのが最善だ」と述べ、遺伝的に肺がんのリスクが高いと思われる全米の被験者を対象としたINHERITという研究が進行中であることを付け加えた。「INHERITを通じて、肺がんの遺伝的リスクを研究するとともに、T790M変異を持つ人々を対象に、CTスクリーニングのパイロット試験を実施している」

advertisement

現在、EGFR T790M変異を持つ人の肺がんを予防する方法はないが、喫煙を控え、がんを早期発見するための検診を受けることで、万一がんを発症しても、治療成功の可能性が高まる。

ロピコロ博士は次のように述べている。「たばこへの暴露を避けることが、リスクを減らすためにできる最も重要なことだが、これらのがんは、喫煙歴のない人にも発症し得ることがわかっている。現時点では、CT検査による早期発見こそが、治癒可能性が最も高い段階で肺がんを発見する最大の機会だ」

(forbes.com 原文)

翻訳=米井香織/ガリレオ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事