メタ(Meta)は、データベースを手がけるMongoDBの前CEO、チランタン「CJ」デサイを企業向けAI事業の責任者に起用した。発表直後は大企業向けソフトウェア各社への影響に注目が集まったが、大企業向けソフトウェア各社を最初の競争相手とみるのは的外れだ。メタがまず競合するのは、マーケティングや営業を支援するHubSpot(ハブスポット)の中小企業顧客である。
メタの企業向けAI事業は、まず中小企業市場から始まる
メタは米国時間2026年9月28日、企業向けAI事業「Meta Enterprise Platform」を立ち上げた。MongoDBの前CEOであるデサイを、企業向けプラットフォーム事業を統括する責任者に任命した。デサイはマーク・ザッカーバーグCEOに直属する。メタはAIモデル、特定の業務を代行するAIエージェント、開発者向けツールを企業へ販売する意図を示している。
発表直後、ウォール街では大企業向けソフトウェアを手がける大手各社の株が売られた。Salesforce(セールスフォース)、ServiceNow(サービスナウ)、Snowflake(スノーフレーク)の株価はそれぞれ4~5%下落した。CEOのデサイが退任したMongoDB株は18.5%安で取引を終えた。
メタが最初に狙うのは、HubSpotの主要顧客である中小企業だ。Meta Enterprise Platformは、AIモデル、AIエージェント、開発者向けツール、プログラミング支援機能を1つにまとめる。さらに、Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerで数十億人の利用者に接触できるメタの基盤と組み合わせる。メタは企業がAIを使って成長するのを支援するとしているが、初期機能は、すでにメタで広告を出し、顧客とメッセージを交わす企業向けのマーケティング・営業システムに近い。
2026年9月29日には、中小企業向けAIエージェント「Muse for Small Business」の提供を順次開始した。企業のメタ広告アカウントやFacebook、Instagramのページに接続する。さらに、会計ソフトのQuickBooks、ECプラットフォームのShopify、決済サービスのStripe、業務用チャットのSlackとも連携する。大半の用途は無料で、利用量が多い場合は有料プランがある。



