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2026.09.29 19:32

AIインフラの「主権」を企業に取り戻す起業家

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欧州における数十億規模のAI投資は、モデル開発者やデータセンター事業者以外の存在にも機会をもたらしている。あまり目立たない、ある課題をめぐって新たなカテゴリーの起業家が登場しつつある。それは「企業が自社のAIを支える技術を実際にどの程度制御できているか」という課題だ。

企業がAI導入を急ぐ一方で、その多くは、自社では十分に検査、移行、制御できないインフラ上でAIを運用している。

データ、モデル、ソフトウェア、コンピューティングは、少数のテクノロジープロバイダーへの依存を強めており、そこには複数のリスクが伴う。

2026年8月に公表された欧州委員会の調査は、限られた地域に集中するコンピューティング能力を問題視した。また、見過ごしにくい他の課題として、非欧州のクラウドおよびAIサプライヤーへの依存や、第三国の法律が適用される潜在的リスクも詳述している。


フォレスター(Forrester)のプリンシパルアナリスト、ダリオ・マイストが指摘するように、組織はAIシステムの「構築、ガバナンス、運用、進化のあり方を制御できるのか」という点への懸念を強めている。

経済協力開発機構(OECD)もまた、競争、切り替えの障壁、限定的な相互運用性、高い移行コストについて懸念を示している。

こうした課題は、制御そのものが製品になり得ると考える起業家に機会をもたらしている。

英国を拠点とする起業家のJB・ベンジャミンは、まさにその可能性に賭けている。

ベンジャミンは、組織がAIインフラをより強く制御できるようにするため、Veldrisを立ち上げた。同社のプラットフォームであるMidgardは、データやコンピューティングからセキュリティ、アクセス、ガバナンスに至るまで、AIシステムの運用方法を組織がより制御できるよう設計されている。

同プラットフォームは、顧客が所有し制御するハードウェア上で稼働でき、外部との接続を完全に遮断した隔離環境でも運用できる。つまり、組織は機密性の高いAIワークロードを外部プロバイダーに依存するのではなく、自社の管理下に置けるということだ。

「利便性を追求するあまり、主権やプライバシーの欠如というリスクを冒すべきではない。私たちは、自分自身や自らの判断よりも、企業や政府を信頼するという偽りの安心感に甘んじている。スタックの全レイヤーを制御していない限り、真の主権は存在しない」と彼は語る。

根底にある考え方は、組織は自社のデータがどこへ行くのかを把握し、どのソフトウェアが稼働しているのかを理解し、誰が、あるいは何がそれにアクセスできるのかを制御し、状況に応じてシステムを移行または隔離できるべきだというものだ。

ベンジャミンは、AIの制御が独立した商業製品になると考えている。サイバーセキュリティ、デジタルID、プライバシーにおける彼の経歴が、AIが企業運営のより深い部分へと浸透していくにつれて重要性を増し得る問題へと彼を向かわせた。

システムが進化し、より自律的になるにつれて、それらを支えるインフラはいっそう重要になる。組織がそのインフラを適切に検査できなければ、その上で稼働するAIを統治する能力は必然的に制限される。

この機会に注目しているのはベンジャミンだけではない。

フランス企業のChapsVisionは、信頼できるデータインテリジェンスとAIを軸に大規模な事業を築いており、従業員は約1000人、大口顧客は2000社を超える。同社は防衛、インテリジェンス、セキュリティに加え、金融、医療、産業など、機微性の高い分野で事業を展開している。

同社の最近の動きは、主権が単なる政府目標ではなく、商業的な提案として台頭していることを示している。

フランス政府の国内治安総局は最近、異種データの大規模処理に向けた欧州の主権型プラットフォームの提供者としてChapsVisionを選定した。

AIインフラの第1段階は、ますます大規模化するモデルを訓練するのに十分なコンピューティング能力を確保することだった。次の段階は、企業にとってより実務的なものになるかもしれない。すなわち、自社が費用を払って稼働させているシステムの内部で、何が起きているのかを正確に把握することだ。

(forbes.com 原文)

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