サイエンス

2026.10.04 11:00

やる気が出ない本当の理由と、努力を促す「たった1つの鍵」

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誰かがあまり努力していないとき、大抵は「もっとインセンティブが必要だ」と考えられる。モチベーションとは、報酬やプレッシャーという対価を支払って初めて得られるものだと思われがちだ。

しかし、学術誌『Psychological Science』に掲載された最新の研究は、その前提が根本的な何かを見落としていることを示唆している。子どもと大人を対象にした4つの実験で、人々は一貫して、自分が作ったものが捨てられるのではなく保存されるほうの課題を好み、そうした課題により熱心に取り組んだ。それ以外の条件は変わらなかった。

心理学者は、この根底にある感覚を「マタリング(自分が重要である、自分の行動に意義があると感じる感覚)」と呼ぶ。自分がしていることには永続的な価値があり、終わった後に単に消え去るわけではないという感覚のことだ。これは通常、人生の目的や後世への功績(レガシー)に関連する大人の関心事として議論されることが多い。

この研究を行ったテキサス大学ダラス校のイーリン・リュー(Yilin Liu)とシカゴ大学のファン・ヤン(Fan Yang)は、この感覚がもっと小さな瞬間にも現れるのか、そして幼い子どもたちも同じように反応するのかを明らかにしようとした。

「虚空に消えない仕事」を好む人々

研究チームは、4歳児でも取り組めるシンプルな課題から着手した。4〜9歳の子どもと大人のグループに、パズルのピースを使ってハートの形を作ってもらった。その際、2つのバージョンのゲームについて説明した。一方のバージョンでは、完成したハートはシュレッダーにかけられる。もう一方のバージョンでは、箱に入れて保管される。

2つのゲームの違いは、意図的にごく小さく設定された。それにもかかわらず、子どもも大人も「保存される」バージョンを好んだ。別のグループにどちらのゲームをプレイしたいか尋ねたところ、大人の90%、子どもの80%が、自分の作品が保存されるゲームを選択した。

「自分のもの」と実感できる仕事を好む

この理由として、単に「物が保存されるのを見るのが好きだから」という可能性が考えられる。これを検証するために、2番目の実験では、一部の参加者にパズルのピースでアート作品を作ってもらい、別の参加者には画面上でピースが動くのを見るだけにしてもらった。その後、全員に対し、「作品がバラバラに解体される無料のアクティビティ」か、「ステッカーを1枚あきらめる代わりに作品をそのまま残せるアクティビティ」のどちらかを選択してもらった。

次ページ > 人は「自分が作ったもの」の行く末を気にかけるのだ。

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