政府と民間のリーダーたちがAIをどう扱うかという点で、今週はAIにとって慌ただしい1週間になりつつある。
まず目を引いたのは、米国時間9月27日の夜、トランプ大統領がほかならぬダリオ・アモデイと会食したというニュースだ。アモデイはAI企業Anthropic(アンソロピック)のCEOで、AIの暴走をこれまで懸念してきた。トランプ大統領は以前、この点をとらえて、アモデイは「非の打ちどころのない天使」のふりをしている、と評していた。
ホワイトハウスには、そうした懸念はまったくないようだ。一方で、与野党を問わず多くの議員が懸念を表明している。データセンターに至っては党派を問わずひどく不人気で、11月の中間選挙に向けた攻撃広告(相手陣営を批判する広告)では、ある候補者がデータセンターの建設計画に同調したと取り上げるのが定番になっている。
変化の速さについて、アモデイがこれまで公の場で警告を発してきたことは、周知の事実である。アモデイが率いるAnthropicは、米国防総省が自社のAIモデル、Claudeを使うことに制限をかけようとした。除外しようとしたのは2つの用途で、米国民を対象にした大規模な監視と、完全自律型の殺傷兵器である。ところが国防総省は、この条件をのまなかった。私に言わせれば、奇妙な話である。ヘグセス国防長官の体制は、「合法的なあらゆる用途」での利用を求めて譲らなかった。
Anthropicなどの企業ではここ数週間、AGI(汎用人工知能。人間と同等に幅広い知的作業をこなせるAI)への不安を理由に、現場のエンジニアが相次いで去っている。そうしたなかで、アモデイも自らの考えを口にした。
ロイターの報道によれば、アモデイは「AIは人類全体にとってのリスクになりえます」と述べた。発言はそれだけではないが、続きはロイターの有料記事でしか読めない。要するに、アモデイは世界にあらためて警告を発したのである。
トランプ大統領はこれが気に入らず、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に辛辣な言葉を立て続けに投稿した。それでも、CBSニュースでビジネスとテクノロジーを担当する上級記者ジョー・リン・ケントの報道で、2人が米国時間27日の夜に会食したことが明らかになった。ただし、詳しい内容は公表されていない。
米中首脳会談、AI関連の事案に対処する窓口の設置で合意
また先週は、中国の習近平国家主席が訪米した。CBSニュースは米国時間9月26日(土)、次のように報じた。
「中国と米国は、AI関連の事案に対処するための連絡窓口を設けるとともに、軍事上の危機に備えた連絡体制づくりを加速させることで合意した。ワシントンで3日間にわたって開かれた習近平国家主席とトランプ大統領の首脳会談を受けたもので、両政府が米国時間9月26日に明らかにした」。
トランプ大統領をはじめとする人々にとって、最大の目標は中国に先んじることである。その意味で、時宜を得た会談だった。それでも、顔を合わせての会談からは、両国に共通する目標もいくつか生まれるとみられている。



