同じ土地で作物生産と太陽光発電を同時に行える営農型太陽光発電(アグリボルタイクス)は、気候変動の緩和、食料安全保障、農村開発を支え得る。驚くべきことに、太陽光パネルで作物を部分的に日陰にすると、多くの場合、食料生産量はむしろ増える。これは直感に反するが、農家にとっては同じ土地でより多くの収益を上げられるため歓迎されている。営農型太陽光発電が急成長しているのは、まったく不思議ではない。すでに140億ドル(約2兆2000億円)を超える産業となっており、今後5年間で490億ドル(約7兆6900億円)規模にまで拡大すると見込まれている。葉物野菜、トマト、レタスなど、サラダに使われる作物の多くで大幅な収量増が示されている。ただし、すべての作物が部分的な日陰で収量を増やすわけではない。また、単にまだ試験されていない作物もある。例えば、豆類のようなマメ科作物は世界的に重要だが、営農型太陽光発電がそれらに与える影響についての実証研究は限られている。こうした制約を克服するため、新たな研究では、透過率とスペクトル特性が異なる13種類の太陽光遮蔽構成の下で、有機栽培のグリーンブッシュビーン(つるなしインゲン)の生育成績を評価した。
豆類の営農型太陽光発電:収量減は小さく、収益増は大きい
この営農型太陽光発電の研究では、農業面の成果を全国平均の収量および政策基準と比較した。レタスやカブを対象にした同種の過去研究の多くとは異なり、豆の収量は増えなかった。栄養生長に関する指標では、青色スペクトルの薄膜型太陽光モジュールと、中程度の透過率を持つ従来型結晶シリコン太陽光モジュールが、ドイツの生産性基準値に近い生育を支えたことが示された。収量が増えなくても、収益を得る余地はあった。全国平均の収量に匹敵する営農型太陽光発電システムはなかったものの、作物とエネルギーの収益を合わせると大きな利点が明らかになった。透過率44%の従来型セルパネル構成は、従来型農業より総収益が340%多く、透過率70%の青色薄膜システムは全国平均収量の94%を達成しながら、1エーカー当たりの収益は従来型農場の164%に達した。
豆類の営農型太陽光発電:再生可能電力
いずれの場合も、太陽光発電による利益は豆類の作物収量の小幅な減少を上回り、食料とエネルギーの間に依然として強い相乗効果(シナジー)が存在することを浮き彫りにした。本研究の結果は、営農型太陽光発電システムが土地利用効率を高め、再生可能エネルギーの拡大を支え、農村経済のレジリエンスを向上させる可能性を示している。同時に、長期的な持続可能性の成果を検証するには、複数年にわたる試験と、各地域の条件に応じた対照設定が必要であることも強調している。



