人事のキャリアに、唯一の道筋はない。人の成長を支援したいという情熱を持ってこの分野に入るプロフェッショナルもいれば、心理学、テクノロジー、軍隊、その他の分野でのキャリアを経て、人が事業の成功をどう形づくるのかに関心を見いだす人もいる。
どのようなきっかけで人事に携わるようになったとしても、成功するキャリアを築くには、人に関わるスキル、ビジネス感覚、進化するテクノロジーへの適応力を組み合わせることがますます求められている。以下では、Forbes Human Resources Councilのメンバーが、自身の人事キャリアを志すきっかけを振り返り、2026年以降にこの分野へ入るプロフェッショナルに向けて教訓を共有する。
1. 従業員体験を最優先にする
私の人事への道は、顧客体験と患者体験に関わるキャリアと、従業員体験が第一であるというシンプルな信念から生まれた。社内の人々が苦しんでいるなら、社外に一貫して卓越した体験を提供することはできない。私からの助言は、ビジネスを学び、テクノロジーを受け入れ、仕事をしている人間への好奇心を絶やさないことだ。 - Nicole Cable, C3 Health
2. 判断力とシステム思考を磨く
私が人事に惹かれたのは、それが組織のブラックボックスのように感じられたからだ。トップの意思決定が、事業全体の行動へとどのように変わっていくのかを知る場所である。人事に入るすべての人への助言は、人事だけでなくビジネスを学ぶことだ。AIがより多くの定型業務を自動化するなか、あなたの価値は、判断力、システム思考、そして戦略を人の能力へと変換する力から生まれる。 - Dr. Ghenwa Habbal, Dr. Ghenwa Habbal Advisory(DGHA)
3. 好奇心と共感を持って導く
私は昔から、人を唯一無二にしているものは何か、組織がその可能性をどう引き出せるのかに強い関心を持ってきた。人事とは、人間の能力がビジネス上の優位性に変わる場所である。私からの助言は、人に対する好奇心を絶やさず、共感をもって導き、人材を管理するだけでなく人間を理解することこそが持続的な事業インパクトを生むのだと決して忘れないことだ。 - Lauren Tropeano, Docebo
4. 誠実に導き、信頼を築く
人事が私を選んだのは、人が組織の成功を動かす原動力であることを理解させてくれたからだ。人事に入る人は、まず自社のビジネスを学ぶこと、選択をする際にはデータに基づく意思決定を用いること、AIを代替ではなく補助として受け入れること、そして誠実に導き、従業員に真の思いやりを示しながら事業要件を満たすことで信頼を勝ち取ることが重要だ。 - Sherri Reese, Salisbury University
5. 人を助けたいという思いに焦点を当てる
私はよく「つまずいて転んだ先が人事だった」と言っている。私のキャリアは一直線ではなかった。学部では心理学と都市研究を学び、大学院ではメンタルヘルス・カウンセリングを学んだ。キャリアの出発点は薬物乱用に関する研究で、その後、プログラム成果の分析、研修コーディネートへと移り、最終的にメンターの導きで人事へ転じた。常に共通していたのは、人を助けたいという思いだった。これまでのすべての経験が、私をより強いリーダーにしている。 - Nicole DuBois, Graham Windham
6. 人に関する意思決定を事業目標につなげる
私が人事を選んだのは、人の成長を支援しながら、組織のパフォーマンスのあり方を形づくりたいと考えたからだ。時間がたつにつれ、人事はビジネスの鼓動だと考えるようになった。私からの助言は、ビジネスの仕組みを学び、人に関するすべての意思決定をその目標に結びつけることだ。AIを活用して、調査、洞察、行動の間にある隔たりを埋めるべきだが、判断まで外部化してはならない。人事の未来はすでにここにあり、それは人、パフォーマンス、テクノロジーを結びつけられるプロフェッショナルのものだ。 - Latricia Shepard, Accelerated Dimensions LLC
7. ケア、オペレーション、テクノロジーを組み合わせる
私の人事への道は陸軍から始まった。そこでリーダーシップは、任務を正しく遂行することの一部として人を大切にすることを教えてくれた。やがて私は、その影響を1つのチームにとどめず、より大きく広げたいと考えるようになった。いま人事に入る人への助言は、ビジネスを学び、AIが仕事の設計をどう変えているかを理解し、その周囲にある人間の判断のサプライチェーンを守ることだ。人事の未来は、信頼でき、拡張可能な成果を生むために、ケア、オペレーション、テクノロジーを責任ある形で組み合わせられる人々のものだ。 - Dr. Timothy J. Giardino, myWorkforceAgents.ai
8. 人事がもたらし得るインパクトを忘れない
幼い頃から私は、仕事への満足が人の全体的なウェルビーイングにいかに大きな影響を及ぼし得るかを見てきた。産業・組織心理学(I/O心理学)に進んだのは、人々が職場でより幸せを感じられるよう支援したいと考え、それがドミノ効果となって人生全体をより良いものにする助けになることを望んだからだ。この情熱には浮き沈みがあった。私からの助言は、沈む時期にも踏みとどまることだ。上向いたときには、それだけの価値がある。そしていまほど、人事が働く世界をどう形づくるかに大きな役割を果たし得る時代はない。 - Sanja Licina, QuestionPro
9. テクノロジーに精通し、人に焦点を当て続ける
私が人事を選んだのは、人を通じて組織の成功を支援することに情熱を持っているからだ。人事は、文化、リーダーシップ、事業戦略の交差点に位置する。この職業に入る人への助言は、テクノロジーに精通すると同時に、人に焦点を当てることだ。AI、データ、アナリティクスを受け入れつつ、最も重要な人間的スキル、すなわち共感、コミュニケーション、信頼、健全な判断力を決して見失ってはならない。 - Dana Kellerman, OnPoint Group
10. 早い段階で倫理基準を定める
当初、私は大学で法律を学ぶ準備をしていた。他者を代表したい、公正な基準を維持したいという自分の望みを法律だと誤解していたが、それは初めから人事だった。今日の人事には、かつてないほどのレジリエンス、推論力、粘り強さが必要である。この分野に入る人は、ビジネスが基準を定めることを理解し、採用時点で倫理を明確にしておくべきだ。そうすれば、人事という分野が求めるもの以外になるよう圧力を受けたときにも、常にそこへ立ち返ることができる。あなたのインパクトはそれにかかっている。 - Tiersa Smith-Hall, Impactful Imprints, Training & Consulting
11. 方針や書類業務の先を見る
私はずっと、人と働き、人が最高の自分へと成長するのを助けたいと考えてきた。採用からキャリアを始め、人々と出会い、その物語を聞くことに喜びを感じた。いま私が最もわくわくするのは、人事が方針や書類業務を超えて進化し、人とビジネスの双方の成功を支えるリーダーシップ、コーチング、文化、意味のある人間的な関わりに焦点を当てるようになったことだ。 - Natalie Grabher, USA Hall of Frames, Inc.
12. 人事テクノロジーが実際にどう機能するかを学ぶ
私は人事ではなくテクノロジー側からこの分野に入った。それが私の助言を形づくっている。いま最高の人事キャリアを築くのは、人間の課題と、それを解決するシステムの双方を理解している人だ。これから始めるなら、人事の実務を学ぶだけでなく、ツールが実際にどう機能するのかも学ぶべきだ。その組み合わせこそ、この職業の次の10年が評価するものになる。 - Ritu Mohanka, VONQ
13. 影響を与え、導くことを学ぶ
私の人事キャリアは、計画していたものではなかった。人とインパクトの交差点に位置する機能は多くない。そこでは、経営陣、中間管理職、現場リーダーの優先事項と視点を見通すことが求められる。人事は絶えず進化している。予測できないことも多く、複雑で、時には混沌としている。私からの助言は、その現実を受け入れることだ。最も有効な人事リーダーは、自分の役割が成果をコントロールすることではなく、影響を与え、導くことだと理解している。 - Jalie Cohen, Radiology Partners
14. 人とビジネスを結ぶ戦略家になる
あらゆるビジネスは、人のビジネスである。だからこそ人事は、企業の中で最も戦略的な席の1つになる。海兵隊は、成果と関係性が切り離せないことを私に教えてくれた。行動科学は、その理由を教えてくれた。米労働統計局(BLS)は人事職について、全職種の2倍にあたる6%の成長を予測している。問題は、あなたがどのような人事になるかだ。人とビジネスを結ぶ戦略家は組織を動かし、方針を押し付けるだけの人は脇へ追いやられる。 - Matt Poepsel, The Predictive Index
15. まずビジネスリーダーであれ
ビジネス専攻として、私は優れたビジネスをつくるものは何かを学んだ。組織のパフォーマンスが戦略、構造、そしてシステム全体とどうつながっているかを見たとき、これこそ自分の仕事だと確信した。そしていまも、ビジネスとそこで働く人々が繁栄するために各要素がどうかみ合うのかに魅了されている。いまこの分野に入る人への助言は、まずビジネスリーダーであり、その次に人事であれということだ。強いビジネス感覚を築くこと。好奇心を保ち、戦略に近いところに身を置くこと。それこそが、先を行き続ける方法である。 - Anuradha Mayer, Infoblox
16. AIで人間的なつながりの余地を広げる
私はジャーナリズムの分野でキャリアを始め、プロデューサー、ライター、撮影クルーとともに働いていた。ストーリーテリングは好きだったが、人の成長と成功を支援することに、さらに大きな情熱を見いだした。それがきっかけとなり、人事管理の修士号を取得し、人事でキャリアを築いた。AIが人事とピープルマネジメントに浸透するなか、その最大の価値は人を置き換えることではなく、定型業務を自動化し、1対1の協働の余地を広げ、関係性を強化することにある。 - Sophia Okeke, The Center for Family Support Inc.
17. 人事と同じ深さでビジネスを学ぶ
私は、才能はどこにでもあるが、機会はそうではないという信念を通じて人事にたどり着いた。今日、人事に入る人への私の助言は、人事を学ぶのと同じ深さでビジネスを学ぶことだ。自分の組織がどのように収益を上げ、顧客にサービスを提供し、競争し、資本を配分し、パフォーマンスを測定しているのかを理解する。未来の人事リーダーは、人に関する実務の専門家であるだけでは不十分だ。人間の能力がどのように企業価値を生み出すのかを理解しなければならない。 - Steve Pemberton, Seramount



