マイクロン株は依然として希少性に依存している
マイクロンは前四半期に71億ドル(約1兆1100億円)の設備投資を行い、第4四半期には約100億ドル(約1兆5700億円)の支出を予定している。同社にはその余裕がある。前四半期の調整後フリーキャッシュフローは183億ドル(約2兆8700億円)に達し、同期末時点の現金、有価証券、制限付き現金は計300億ドル(約4兆7100億円)を超えていた。
現在の利益が拡大資金となり、顧客からのデポジットによってマイクロンが自ら調達しなければならない資金額は抑えられている。これは同社がこれまでのサイクルで置かれていた状況よりもはるかに強力なポジションだが、この支出に対するリターンが判明するまでには数年を要する。新たな生産能力の構築と認定には時間を要する。本格的な生産が開始される頃には、マイクロン、サムスン電子、SKハイニックスのすべてが、今より大幅に多くのメモリを供給している可能性がある。
メーカー各社は供給過剰が自社の業績に与えた影響を覚えているため、業界は規律を保っている。しかし、これらの企業はHBMの確保に必死で、追加生産の資金援助もいとわない顧客に直面している。期待されるリターンがこれほど高くなると、規律を維持することは困難になる。
中国の存在も、事態をさらに複雑にしている。長鑫存儲技術(CXMT)はDRAMでのポジションを確立した後、NAND型フラッシュメモリへの参入を準備している。国家および地方政府の資金援助を受けている。同社がマイクロンの最先端HBMにすぐにとって代わることはないが、市場の下位層に圧力をかけ、競合他社がより収益性の高い製品に資本を集中させる余地を与える可能性がある。
マイクロンには台湾におけるより差し迫った問題もある。現地の従業員約1万5000人のうち1万人近くを代表する労働組合が、ボーナスをめぐる争議でストライキを実施すると警告している。組合によると、アンケートに回答したメンバーの80%以上がストライキを支持しており、営業利益の15%に相当する将来のボーナスプールの設定を求めている。
台湾はマイクロンの最大の製造拠点だ。経営陣は異例の規模の従業員向け特別報酬を提示したが、ストライキ決議への準備は続いている。工場がすでに需要を満たすのに苦慮しているなか、限定的な操業中断であっても大きな影響を及ぼすため、株主は9月30日にこの問題が取り上げられることを期待すべきだ。


