米半導体設計会社AMDは米国時間2026年9月28日、AI企業World Labs(ワールド・ラボ)を82億ドル(約1兆2874億円)で買収すると発表した。World Labs共同創業者で「AIのゴッドマザー」として知られるフェイフェイ・リー(Fei-Fei Li)は、買収に伴ってAMDに加わる。
World Labs買収で、AI向け計算基盤の開発力を強化
AMDはWorld Labs買収に向けた「最終契約」を締結した。AIブームで生じている膨大な計算需要に応える手段と位置づけている。
AMDによると、World Labsの専門知識は、AI向け計算基盤を提供する戦略の推進に役立つ。両社の連携は、「ハードウェア、ソフトウェア、システム」の開発にも役立つという。
リーは2023年にWorld Labsを共同創業した。買収完了後はAMDの執行副社長兼最高科学責任者に就任し、最高経営責任者(CEO)のリサ・スー直属となる。
買収対価は全額AMD株で支払い、2026年末までに買収を完了する見込みだ。
AMD株は買収発表日に3.6%下落、年初来では183%高
AMD株は2026年9月28日の通常取引を3.6%安の607.87ドルで終えた。買収発表後の時間外取引では0.1%上昇した。年初来では183%高となっており、年初には223ドル前後で取引されていた。
World Labsの空間知能でエヌビディアとの差を縮める
World Labs買収により、AMDは主要競合のエヌビディアとの差を縮めることになる。エヌビディアは3D AIモデルの学習に使うツールを持つ。
World Labsは、テキスト、画像、動画から3D環境を再構築し、シミュレーションする空間知能AIモデルを開発している。World Labsを傘下に収めることで、AMDはエヌビディアに比べて不足していた3D AI分野を補うことになる。
リーがAMDに加わることも、研究で現在エヌビディア製ハードウェアに依存する多くのAI研究者に対し、AMDにとって大きな訴求材料になる可能性がある。
AI需要の拡大でデータセンター売上高が2倍超に
AIの普及と企業での導入拡大に伴うハードウェア需要の急増は、AMDにもエヌビディアと同様の恩恵をもたらしている。
AMDの2026年第2四半期売上高は115億ドル(約1兆8055億円)、純利益は23億ドル(約3611億円)だった。データセンター部門の2026年第2四半期売上高は前年同期より2倍超の67億ドル(約1兆519億円)となり、全社売上高の半分以上を占めた。2026年第2四半期の設備投資額は8億800万ドル(約1269億円)だった。



