これこそが、投資家が引き受けている判断である。コーエンは価値を生む価格でeBayを望んでいるのか、それとも単にeBayを望んでいるだけなのか。その答えは、次の四半期に店舗閉鎖がどれだけ進むかよりもはるかに重要になる。
株主が判断すべきこと
2024年にロアリング・キティ(株騒動を主導した個人投資家)が復帰し、ゲームストップ株が再び急騰したとき、筆者は投資家が基礎となる事業から十分な裏付けを得ないまま興奮を買っていると書いた。現在の同社は財務面でより強い立場にあるが、それでも熱狂と価値を切り分ける必要がある。
コーエンは意味のある進展を遂げた。費用を引き下げ、収益性を改善し、コレクターズアイテムを重要な事業に育て、脆弱だったバランスシートを戦略的柔軟性の源泉へと変えた。同時に、その柔軟性の多くをeBayに集中させてもいる。投資家は今、縮小する小売事業、数十億ドル規模の上場株式ポジション、そして会社を変貌させ得る買収提案にわたり、1人の人物の判断に依存している。
次の四半期決算が答えるのは、問題の一部にすぎない。筆者なら、売上高が減少するなかで営業利益が維持されるか、コレクターズアイテムが旧来のビデオゲーム事業のシェアを引き続き奪うか、そして、コーエンがeBay提案の価格または資金調達構造を変更するかに注視する。
買収価格はとりわけ重要である。投資家はしばしば、買収が完了できるかどうかに集中するあまり、提示された条件で完了すべきかどうかを問うことを忘れる。コーエンの最近の購入は、同氏が結果を共有する用意があることを示しているが、所有が悪い価格を良い価格に変えることはできない。
ゲームストップ株主はもはや、主にショートスクイーズや物理的なビデオゲーム販売の奇跡的な回復に賭けているわけではない。彼らは、ライアン・コーエンが市場の予想以上に規律をもって会社の資本を扱うことに賭けている。同氏による4700万ドル(約74億1000万円)のインサイダー買いは、その賭けの信頼性を高める一方で、49億ドル(約7720億円)のeBayポジションはその結果をはるかに大きなものにしている。
ゲームストップは将来、ミーム株として脚光を浴びた時代が、市場において極めて独創的な企業変革の資金源となったことを証明するかもしれない。もしコーエンがeBayに過払いすれば、その同じ時代は、ゲームストップが株主から数十億ドルを調達し、そのあまりに多くを1つの構想に賭けた瞬間として記憶されることになるかもしれない。


