現代都市が抱える最大の気候課題の一つが、配送車両による「ラストマイル排出」への対応である。これは大気汚染と交通渋滞の主要因とされている。
宅配業者や事業者が「ラストマイル排出」を削減するには、ルート最適化ツールや受取拠点の活用など複数の選択肢があるが、多くの都市部においては電気自動車(EV)およびカーゴバイクへの切り替えが鍵となる。
しかし、多くの場合、小規模な個人事業主である宅配業者に転換を促すことは容易ではない。コストや航続距離への懸念が大きいためだ。
そうしたなか、今年のアースショット賞環境部門のファイナリストに選ばれたマヒンドラ・ラストマイル・モビリティは、インドにおけるラストマイルの電動化を使命として取り組んできた。
同社はサプライチェーンを刷新し、現在ではインド国内で最も多くの電動三輪車を販売している。
今年8月には、EV累計販売台数40万台を達成し、電動走行距離は90億kmを超えたと発表した。これにより、およそ8万5000トンのCO2排出削減に貢献したという。
同社のスマン・ミシュラ最高経営責任者(CEO)はインタビューで、三輪車は数百万件にのぼる旅客・貨物輸送において最も手頃な選択肢であるため、極めて重要だと語った。
また、多くのドライバーや起業家にとって不可欠な道具でもあると指摘した。
だがミシュラは、これら小型の内燃機関車両が都心部に密集していることが、排出量の不均衡な集中を招き、大気の質や汚染レベルに直接影響を及ぼしていると付け加えた。
「ラストマイルは、本質的にすべての都市が呼吸する場所だ」と彼女は筆者に語った。
「都市交通が最も多く、最も密集する地点であり、そこで発生する排出は大気の質や呼吸しやすさに直接的な影響を及ぼす」
ミシュラは、これらEVの普及を後押しするには、充電、資金調達、信頼性といった重要課題に取り組む必要があったと述べた。
同社は、標準的な16アンペアのコンセントで充電できる電動三輪車を設計することで、自宅で充電できるようにした。
また、交通量の多い場所に公共充電施設を導入したほか、修理に1日以上かかる場合はドライバーの日々の逸失収入を補償するサービス保証も導入した。
さらに、ドライバーが車両のバッテリー残量を確認できるスマートフォンアプリもある。
「私たちは今、この技術をほぼ普及させたと言えます」とミシュラは付け加えた。「当社のカテゴリーでは電動化率が50%近くに達しています。事業を始めた頃は2%程度でした」
彼女は、得られた重要な教訓の一つは、技術は経済的に有益でなければならず、移行にはエコシステム全体の関連課題を解決する必要があるという点だと述べた。
さらに、政府は初期補助金を通じて進展を加速させることもできると付け加えた。
ミシュラは、アースショット賞のファイナリストに選ばれたことは、スケールと持続可能性が共存できることを示すものだと語った。
「私たちは4、5年にわたって非常に懸命に取り組み、一定の水準に達した」と彼女は語った。「これは、新技術の小規模な実証実験だけの話ではないということの裏付けだ。解決策をはるかに大きな規模へと拡大することが重要なのだ」
インドで電動三輪車を製造する他の企業には、バジャジ・オート、オメガ・セイキ・モビリティ、キネティック・グリーンなどがある。
今年のアースショット賞のファイナリストは全15組で、その中には、21カ国で山火事を検知・追跡する、アルゼンチンのAI活用型山火事検知・警報プラットフォーム「Satellites on Fire」も含まれている。
また、世界の荷主を結集し、ゼロエミッション海運への拘束力ある取り組みを推進する「Zero Emission Maritime Buyers Alliance」もファイナリストの一つだ。
アースショット賞は、2020年にウィリアム王子によって創設された。
同賞の最高責任者ジェイソン・クナウフは声明で、今年のファイナリストは環境リーダーシップが世界のあらゆる地域から生まれていることを示していると述べた。
クナウフはさらに、各ファイナリストはそれぞれ異なる差し迫った環境課題に取り組んでいるものの、いずれも直接的な影響を超えて変化を生み出す可能性を秘めていると付け加えた。
「進歩が加速し波及し始める、ポジティブなティッピングポイントに寄与できるソリューションを支援することで、アースショット賞は環境への志を、地球が緊急に必要とする規模で行動へと転換することを使命としている」と彼は述べた。
受賞者は11月、インドのムンバイで開かれる第6回アースショット賞授賞式で発表される。



