アジア

2026.09.28 08:00

データセンター建設ラッシュに沸く東南アジア、LNG需要が急増

タイの港に停泊する液化天然ガス(LNG)タンカー(Getty Images)

タイの港に停泊する液化天然ガス(LNG)タンカー(Getty Images)

巨大データセンターの建設ラッシュに沸く東南アジアでは現在、液化天然ガス(LNG)の需要が急拡大している。インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイといった同地域の主要国が人工知能(AI)の導入を進める中、増加する電力需要を再生可能エネルギーだけで賄うことは不可能だとの認識が広まり、LNGへの依存度が高まっているためだ。

タイの首都バンコクで17日に閉幕したエネルギー業界最大級の国際会議「ガステック」で、英調査会社ウッド・マッケンジーは、東南アジアのデータセンターの容量が現在の2.8ギガワットから2035年には9.4ギガワットへと3倍以上に拡大することで、データセンターの電力需要も同期間に17テラワット時から57テラワット時へと増加する見通しだと報告した。

電源構成には再生可能エネルギーや原子力も含まれるものの、データセンターに求められる「24時間365日の安定稼働」という要件を大規模に満たし得る発電技術として、東南アジアの多くの地域で最も現実的な選択肢と言えるのは、複合サイクルガスタービン(CCGT)だ。さらに、東南アジアで商業的な成熟には至っていない系統用蓄電池については、同地域の政策立案者が現在、LNGを最優先課題に据えていることから、普及が進むのは2030年代後半以降になるとみられている。

ガステックに出席したタイのエーカナット・プロムパン・エネルギー相もこの事実を認めた。同国は現在、900万トンのLNG処理能力を有しているが、地域のエネルギー需要を支えるべく、これを2700万トンに拡大する計画だ。同相は「全ての人にとって安全で、強靭(きょうじん)かつ利用しやすいエネルギーの実現」を呼びかけた。

東南アジアでは、地域的な協力が切実に求められている。例えば、米調査会社S&Pグローバルエナジーのデータによると、現在、シンガポールの電力は事実上全てガス火力で賄われている。これは、同国でデータセンターが新たに稼働するごとに、LNGの消費量もほぼ完全に比例して増加することを意味する。さらに、マレーシアやインドネシアからのパイプラインによる天然ガスの輸入は2030年代初頭までに停止する見通しであることから、シンガポールのLNG依存度は、現在の95%からほぼ100%に達するとみられている。

マレーシアでは3.9ギガワットのデータセンター開発が進められており、増大する電力需要に対応するため、新たなLNG再ガス化ターミナルが建設されている。ウッド・マッケンジーによると、電力の3分の2をガス火力が占めているタイでは、タイ湾でのガス生産量とミャンマーからのパイプライン経由のガス輸入が減少し続ける中、2035年までにガス供給全体に占めるLNGの割合が50%を超えると予想されている。

これら3カ国全てで、国内産ガスやパイプライン経由のガス供給が減少傾向にあることから、新規のガス火力発電所を支える燃料としては、LNGが唯一の現実的な選択肢となっているようだ。その多くは、急速に拡大する米国からアジアへのLNG輸送路を通じて調達されている。

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翻訳・編集=安藤清香

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