何百万人ものビジネスパーソンが、メールの草稿作成にAIを利用している。しかし新たな研究により、AIはプロンプト(指示文)の書き方によってまったく異なるメールを生成することが明らかになった。プロンプトに女性特有とされる言葉遣いが含まれている場合、AIはよりシンプルで、フォーマル度の低い回答を生成したという。
これまでの研究から、女性は男性に比べて特定の言語パターンを使用する傾向が強いことがわかっている。例えば、ぼかし表現(「もしかしたら」「〜と思う」など)、感情豊かな形容詞(「素敵な」「素晴らしい」など)、共同体的な言葉(「私たち」「私たちの」など)、付加疑問(「〜だと思いませんか?」など)を多用する傾向があるという。
米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは今回の研究で、仕事上の連絡文書の作成を依頼するAIプロンプトにこうした言語パターンが含まれている場合、男性特有とされる話し方のパターンを用いたプロンプトと比べ、AIが生成した回答の語彙の洗練度が低く、読解レベルも低く、フォーマル度にも欠けることを明らかにした。
具体的には、研究チームはメールやカバーレター(英文履歴書添え状)、退職届の作成をAIに依頼する854件のプロンプトを用意した。半数には女性に多く見られる言葉遣いを、残り半数には男性に見られるパターンを用いた。これらのプロンプトをGPT-4とGemma、Mistral、Llamaの4つのAIモデルに入力したところ、すべてのモデルにおいて、女性特有の言葉遣いを含んだプロンプトは、概してよりシンプルでフォーマル度の低い回答を生み出した。この傾向はメールや求人応募書類で最も強く見られ、退職届の作成を指示した場合には比較的弱かった。
同研究に関する論文の筆頭著者でジョンズ・ホプキンス大学データサイエンス・AI研究所の博士研究員を務めるキャサリン・ヴァン・クーベリング(Katherine Van Koevering)は「GPT-5についてはまだ検証していないが、同じ結果にならないとしたら驚きだ」と語る。



