米ファストフード大手マクドナルドの株価は、3月の高値から約29%下落している。経営陣は、2030年までの再建計画への信頼を投資家やフランチャイズ加盟店に呼びかけるにあたり、非常に困難なタイミングでの説明を余儀なくされた。
米国時間9月23日に開催された投資家向け説明会で、マクドナルドは成長戦略「NEXT」の財務面の詳細を明らかにした。同社は店舗の改装、チキンと飲料メニューの改善、新技術の導入を行い、営業利益率を50%台前半から半ばの範囲に引き上げることを目指している。この計画を加盟店が実行できるよう、マクドナルドは2036年までに約85億ドル(約1兆3400億円)の賃料減免と資本支援を提供する予定だ。説明会の後、同社の株価はさらに4.8%下落した。
投資家は同社の野心的な姿勢を受け入れたと私は考えている。マクドナルドが店舗を刷新し、サービスを向上させ、顧客が再び来店したくなるような動機を与える必要があるのは明らかだ。懸念されるのは、株価下落の原因となった問題を解決することなく、同社が財務目標の一部を達成できてしまう点にある。
マクドナルドは直営店を減らし、本社経費を削減することで、高い営業利益率を報告することができる。だが、それらの手段はいずれも、より多くの顧客が商品を購入することを保証するものではない。顧客を呼び戻す役割を担う加盟店が、コストと運営リスクの多くを背負うことになる。これこそが、再建計画の内部にあるズレ(乖離)なのだ。
投資家向け説明会後にマクドナルド株が下落した理由
マクドナルドの「NEXT」発表資料には、魅力的に思える内容が数多く含まれていた。経営陣は、ビーフ分野における同社の主導権を守りつつ、2030年までにチキンで1.5パーセントポイント、飲料でもさらに1.5ポイントの市場シェア獲得を目指している。
マクドナルドはすでに毎日7000万人を大きく超える顧客にサービスを提供しており、アクティブなロイヤルティ会員数は2億2000万人近くに達している。単独で少なくとも年間売上高10億ドル(約1580億円)以上を誇るブランドを17も保有している。これほどの規模を持つ消費財企業は、ほかにはほとんど存在しない。
だが、その規模の大きさをもってしても、米国事業の減速を防ぐことはできなかった。第2四半期の既存店売上高はわずか0.8%増にとどまり、予想を下回っただけでなく、前年同期の2.5%増からも減少した。経営陣はその後、7月と8月の売上高がわずかにマイナスであったことを明らかにしている。9月はプラスに転じる見込みだが、第3四半期全体としては、おそらくわずかなマイナスにとどまるだろう。
この不調は、景気の低迷だけが原因ではない。マクドナルドによれば、アプリなどのデジタル特典の縮小、プロモーションの弱さ、店舗におけるオペレーションのばらつきが減速を招いたという。また、客数の減少分の約3分の2は、常連客(ロイヤルカスタマー)の来店頻度低下によるものだった。
同社は1品あたり3ドル(約470円)未満の低価格メニュー10品も導入したが、期待されたほどの客数の増加にはつながらなかった。マクドナルドは5ドル(約790円)の「ミールバリューセット」、4ドル(約630円)の朝食メニュー、そして値引きされた「バリューセット(Extra Value Meals)」を復活させたものの、低所得層の顧客を十分に呼び戻すために必要な、エントリーレベルでのバリュープロポジション(お値打ち感の提示)が依然として不足している。



