エヌビディア製チップ購入に追加で約1.57兆円規模を調達へ
ファームスは、データセンターが完成すれば、5年以内に合計で年間50億ドル(約7860億円)の収益を生み出すと見込んでいる。しかし、そこに至るには、今回のIPOで調達する額をはるかに超える資金が必要となる。
ブルームバーグは9月23日、ファームスがインドネシアのバタムに新設するデータセンター向けにエヌビディア製チップを購入するため、約100億ドル(約1兆5700億円)の資金調達について、貸し手側と交渉中だと報じた。このうち約75億米ドル(約1兆1800億円)は負債で調達する予定だ。これは、IPOで調達予定の50億ドル(約7860億円)に上乗せされるものだ。
エヌビディアはファームスの株主であると同時に、同社にチップを供給しており、かつ顧客の1社でもある。
IPOで調達する資金と、現在交渉中の融資によってデータセンターが建設され、そこに搭載されるチップはエヌビディアから供給される。エヌビディアは、ファームスのデータセンターが採算を確保できるか判明するはるか前に、チップの出荷時点で代金を受け取ることになる。
需要は本物でも、データセンター事業者が大きなリスクを抱える
ファームスのデータセンターに対する需要は確かなものだ。OpenAIやメタが顧客に名を連ね、世界的な計算資源不足は依然として続いている。
しかし、需要があるからといって、ファームスのようなデータセンター事業者のリスクが小さいわけではない。かねてより、計算能力を貸し出すネオクラウド企業こそが、AI関連ビジネスにおけるリスクの大部分を抱えていると見られてきた。なぜなら、データセンターが完成する前から、契約実績を担保に多額の負債を抱え込むからだ。ファームスはその典型例であり、しかも同社の評価額はこの2カ月間で約3倍に膨らんでいる。
一方、サプライヤーであるエヌビディアの株式を保有すれば、ファームスの株価が10月22日以降にどのような推移をしようと、同社が建設するすべてのデータセンターからエヌビディアは収益を得る。
10月8日に公表予定の目論見書で、ファームスは初めて売上高を開示する見込みだ。500億豪ドル(約5兆6000億円)を超える評価額に対して、どれだけの売上高を上げているのかが注目される。


