リーダーシップ

2026.09.26 16:46

優れたリーダーになりたいなら、まず何かを売ってみるといい

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これまでのキャリアにおいて、私はさまざまな形態の営業を経験してきた。そしてその一つひとつが、コミュニケーション、影響力の発揮、そしてプレッシャーへの対処において、異なる方法の開拓を自分に強いてきた。訪問販売、電話営業、主要顧客管理(キーアカウント・マネジメント)、展示会での営業、パートナー販売、そしてソーシャルセリング。これらはすべて同じ商業的成果を目指すものであるかもしれないが、要求されるスキルは驚くほど異なる。

振り返ると、こうした状況の多くは、リーダーシップを発揮するための優れた準備期間でもあった。なぜなら、不快な状況への対処、明確な意思疎通、他人の心理を読み取ること、そして必ずしも権限を持たない状態での影響力の発揮を求められたからだ。

訪問販売が教えてくれる「自己のエネルギー管理」

B2B(企業間取引)の訪問販売をしていた頃、次のオフィスのドアを叩くのがどうしても気が進まない瞬間が何度もあった。活動量が厳しく評価されていたため、「今日は新規開拓に向かない日だ」などと自分で決めつける選択肢はなかった。

何度も断られた後などは、ビルの外で自分に軽い喝を入れ、エネルギーをリセットし、適切な存在感をまとって中へ入っていかなければならないこともあった。

それから何年も経った今、困難な会議や顧客対応、あるいは社内イベントの前に、私は本質的にまったく同じことをしている自分に気づく。直前の1時間に何が起ころうとも、これから入る部屋に持ち込むエネルギーをそれに左右されてはならない。なぜなら、そこにいる人々が体験するのは、今入ってきたばかりの私自身の姿だけだからだ。

リーダーとして、すべての重要な対話のタイミングを自分で選べるわけではない。だからこそ、自分自身をリセットし、良好な第一印象を作り出す能力は、想像以上に価値があるのだ。

電話営業が教えてくれる「声でアイデアを売る技術」

電話営業は大きく異なる。優れた台本(スクリプト)があるだけでは、良い会話は生まれないからだ。相手は、こちらがただ次のセリフを言う順番を待っているだけなのかどうかをすぐに見抜く。それよりも、声のトーンやペース、自信、そして自然に受け答えする能力のほうが、はるかに大きな違いを生み出す。

また、相手に話を聞くべき理由を説明するための時間は極めて短い。新規の電話営業(コールドコール)では、相手が求めてもいないし、最初は望んでもいないアイデアを提案することが多いため、その価値を簡潔に理解させなければならない。

リーダーは、新しい戦略や組織変更、投資、あるいは新しい働き方を導入する際に、こうした課題に頻繁に直面する。決定を下す権限があるからといって、メンバーがそのアイデアに関心を持っているとは限らない。そのため、どのように語りかけ、なぜそれが重要なのかをいかに迅速に説明できるかが、彼らがもっと話を聞きたいと思うかどうかの分かれ道となる。

展示会が教えてくれる「存在感を維持する持続力」

展示会では、ほぼ1日中、絶え間なく会話を続けることになる。1分だけ立ち止まる人もいれば、30分も留まる人もいる。議論は、単純な製品に関する質問から、戦略、競合状況、あるいはまったく予期しないテーマへと発展することもある。

難しいのは、何時間も経った後でも、最初と同じレベルの関心と前向きさを維持することだ。すでに同じ内容を何度も繰り返していたとしても、20番目に来た顧客に、自分が「20番目の人間」であると感じさせてはならない。

このことは、CEOとして会社のキックオフやその他の社内イベントで、何十人、何百人もの社員と会う際に、特に重要であると実感している。ある人は戦略について議論したいと思い、別の人はチームについての懸念を抱え、またある人は単に雑談を数分交わしたいと望む。

CEOにとっては、それがその日50回目の会話かもしれない。しかし、その従業員にとっては、その年で唯一、CEOと交わす有意義な会話になるかもしれないのだ。

主要顧客営業が教えてくれる「多様な利害の理解」

大規模なB2Bの営業において、意思決定者が1人だけであることは滅多にない。現場のユーザー、調達部門、財務部門、および経営陣が、それぞれ異なる視点から同一の購買を評価するからだ。

製品自体がいかに強力であっても、これらの視点のうち1つしか理解していない営業担当者は、容易に案件全体を失うことになる。

組織における地位が高くなるほど、これとまったく同じ状況に直面する頻度は増える。従業員、顧客、株主、取締役会、そしてパートナー企業は、すべて異なる立場から1つの意思決定を見る。したがって、自分自身が納得しているだけでは不十分だ。相手にとって何が重要であり、その方針を支持してもらうために相手が何を必要としているのかを理解しなければならない。

パートナー営業が教えてくれる「権限なき影響力」

パートナー営業は、上級リーダー職への優れた準備となる。なぜなら、他社に対して単に指示を出すことはできないからだ。パートナーには独自の顧客、優先事項、商業的目標がある。つまり、こちらのアイデアが相手の視点からも理にかなっていなければならない。

上級リーダーシップには、多くの人が予想する以上にこうした局面が多い。取締役会、同僚、パートナー、外部のステークホルダーなどは、自身の直接的な指揮命令系統の外にある。そのため、合意形成を図るには、単に指示を出すのではなく、共通の利益を構築する能力が不可欠となる。

ソーシャルセリングが教えてくれる「文章による思考力」

ソーシャルセリングも、有益なテストとなる。なぜなら、自分がその場に直接いなくても、自身の専門性が効果を発揮しなければならないからだ。話を聞く価値のある人間だと思われたいのであれば、追加の説明がなくても理解できるほど、有益なアイデアを明確に表現する必要がある。

これは組織の内部でも同様だ。現在、リーダーシップの多くは、メールやチャット、社内投稿、書面によるアップデートを通じて発揮されている。プレゼンテーションの横に立たなければアイデアを説明できないリーダーは、そのメッセージを組織全体に広める(スケールさせる)のに苦労することになるだろう。

文章を書くことは、思考の曖昧さを瞬時に暴き出す。もし自分が持つアイデアを、他人が理解できる形で説明できないのであれば、その原因は必ずしも読者の側にあるとは限らないからだ。

振り返ると、私が後にリーダーシップにおいて必要としたスキルの多くは、すでに営業の現場でテストされていた。適切なエネルギーを持って不快な状況に飛び込み、望まれていないアイデアを興味深いものに変え、何十回もの会話を通じて集中力を維持し、多様な利害を理解し、自分に従う義務のない人々に影響を与えること。

異なる形態の営業は、それぞれ異なるプレッシャーを課してくる。そして、そのプレッシャーこそが、驚くほど優れたリーダーシップの訓練となるのだ。

(forbes.com 原文)

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