HUMAN MADEは9月26日、東京・原宿にブランド初の旗艦店「HUMAN MADE TOKYO」をオープンした。原宿と渋谷を結ぶ明治通り沿いに位置し、店舗面積は595平方メートル(約180坪)、3フロア。既存の標準店と比べて約4倍の広さを持つ、ブランド最大規模の店舗となる。
アパレルやグッズに加え、ブランド初となるオリジナルスニーカー「DUCK KICK」など、新たなカテゴリーも展開し、商品構成は既存標準店の約1.8倍に拡充する。オープンに合わせ、BTSのj-hopeとのコラボレーション「HUMAN HOPE SEASON 2」も発売する。
従来のショップとは異なるフロア構成も特徴だ。1階には商品をほぼ並べず、来店客を迎えるスペースと商品の受け取り、会計機能を配置。HUMAN MADEを象徴するコンテナをストックルームとして使い、ガラス越しに内部やスタッフの動きを見せる「見せるストック」とした。来店客は上階の売り場で商品を見ながら買い物を楽しむ。
年間売上計画は20億〜30億円。HUMAN MADE代表取締役CEOの松沼礼によれば、既存店と比べても数倍規模の売上を見込んでいる。
なぜ今、原宿に旗艦店なのか
HUMAN MADEは中長期の成長戦略として、「国内基盤の確立」「海外展開の加速」「ブランドポートフォリオの拡充」の3つを掲げる。今回の旗艦店は、国内で培った商品や店舗運営、顧客体験を進化させ、今後の国内外での展開につなげる拠点とという位置づけだ。
これまでHUMAN MADEは比較的小規模な店舗を中心に展開してきた。渋谷PARCOや心斎橋PARCOなどでは高い坪効率を実現する一方、混雑時には入店待ちが発生し、店内でゆっくり商品を見にくいといった課題もあったという。大型化によって品ぞろえや在庫を拡充し、より時間をかけてブランドを体験できる店舗を目指す。
松沼は今回の出店について、「グローバルブランドになっていくという意思表示」と話す。
「ニッチで、本当に知ってもらって好きな人に買ってもらうことも大事。ただ、日本発で世界に誇れるブランドにしていこうと思った時に、立地は非常に大事です」
既存店では来店客の約7割をインバウンド客が占めるという。人通りの多い明治通りに店舗を構えることで、すでにブランドを知るファンだけでなく、街を歩く国内外の人がHUMAN MADEを知る接点を増やしたい考えだ。
原宿は、クリエイティブディレクターを務めるNIGOにとっても縁の深い場所。1990年代の裏原宿から生まれたストリートカルチャーが海外へ広がった歴史を踏まえ、松沼は新店を「原宿、東京から世界に向けた発信地」にしたいとする。
新店では、自社開発のモバイルオーダーシステムも導入した。来店客がスマートフォンで購入したい商品を選ぶと、注文情報がストック担当者に共有され、商品が会計スペースへ用意される。商品の出し入れやスタッフの移動を効率化し、その分を接客に振り向けるのが狙いだ。
ただテクノロジーですべてを自動化するのではなく、商品説明や会計など人が担う部分は残す。松沼は「最後にチェックアウトを共にさせていただいて、お渡しをする。そのエモーショナルな体験はデジタルには代替できない」と話す。
店内には、各店舗ごとに設定しているアニマルモチーフとして「ライオン」を採用。ステンレスやガラスを多用し、コンテナ、ライオンのオブジェ、動くハートロゴなどを配した。店舗の裏側まで見せる開放的な空間とすることで、HUMAN MADEらしい世界観を表現している
初のオリジナルスニーカー、海外出店も
商品の目玉の一つが、「DUCK KICK」だ。HUMAN MADEとして初めて手掛けるオリジナルスニーカーで、松沼は「ライフスタイルを標榜しているブランドとして、シューズは絶対いつか作りたいと思っていた」と話す。旗艦店を起点に、新たな商品カテゴリーを育てていく考えだ。
今後さらに海外展開も進める。2027年春には上海で旗艦店を開く計画があり、米国法人を設立してニューヨークへの出店も決定。松沼は「1カ国に1つは旗艦店を作りたい」としており、原宿店で得た商品開発や店舗運営の知見を今後の海外店舗にも生かす。
なお、HUMAN MADEのクリエイティブディレクターを務めるNIGOは、発売中の『Forbes JAPAN』11月号の表紙にも登場。誌面では、HUMAN MADEの成長を支えるものづくりの哲学や、クリエイションとビジネスへの考えを聞いている。



