アカマイは急成長と単一顧客集中のリスクを同時に抱える
116億ドル(約1兆8328億円)の契約は、アカマイの事業構成を大きく変える規模だ。同社の2025年売上高は42億800万ドル(約6649億円)で、クラウドインフラ部門は3億1400万ドル(約496億円)だった。
アンソロピック向け設備が全面稼働すれば、同社だけでアカマイに年間約17億ドル(約2686億円)を支払うことになる。これはクラウドインフラ部門の2025年売上高の5倍を超え、アカマイ全体の同年売上高と比べても約5分の2に相当する。
米金融サービス企業パイパー・サンドラーは、アカマイ株の目標株価を125ドルから158ドルへ引き上げた。116億ドル(約1兆8328億円)の契約によって、アカマイが割安株から高成長株へ変わる可能性があるとみている。
約8690億円を先行負担し、契約収入はアンソロピック1社に依存
大幅な成長が期待できる半面、契約収入はアンソロピック1社に集中する。アカマイは売上高の計上が始まる前に約55億ドル(約8690億円)の設備構築費を負担し、アンソロピック1社から7年間にわたって契約収入を得る。マクゴワンによると、アカマイは設備構築費に充てられる46億ドル(約7268億円)の現金と、10億ドル(約1580億円)の融資枠を持つ。
以前、ブロードコムについても同じ点を指摘した。AI向け計算資源への需要は実在するが、その需要が少数の顧客に集中していることがリスクになる。アカマイも将来の成長の大部分を、アンソロピック1社に結び付けた。
AIエージェント向けCPU需要は半導体メーカーにも波及する
116億ドル(約1兆8328億円)の契約は、AIエージェントを大規模に展開するには、GPUだけでなくCPUも大量に必要になることを示している。CPUを設計する企業は、どのクラウド事業者が個別契約を獲得するかに左右されず、AIエージェントを開発する研究企業や、それを稼働させるクラウド事業者へCPUを販売できる。
Armは2026年3月、エージェント型AI向けに設計した同社初の量産CPU「Arm AGI CPU」を発表した。メタ(Meta)が主要提携先となり、OpenAI、クラウドフレア、SAPも導入を表明している。
Arm、AMD、インテルで異なる投資上の位置付け
AIエージェント向け需要が拡大すれば、AMDとインテルもサーバー向けCPUの販売を伸ばすとみられている。ただし、両社株は売買対象として扱われ、Arm株は長期保有銘柄に位置付けられている。
エヌビディア株は中核保有銘柄の位置付けを維持する。AIエージェントの増加によって、CPUが担うツール実行などの処理だけでなく、GPUを使うAIモデルの計算も増えるとの見方が理由だ。アカマイ株は、2027年に契約売上高が本格的に立ち上がることを確認するまで長期保有の対象に加えず、AIエージェント向け半導体メーカーではArmを長期保有の中心に据えている。


