北米

2026.09.28 12:15

米国が本気で進めるオンチェーン化──日本市場は変われるか|渡辺創太

人生のアップサイドを決める最大の変数は「誰と会うか」である。そして、誰と会うかは「どこに住むか」で大きく規定される。正しいタイミングで正しい場所にいることは、特に僕のような起業家にとってこの上もなく重要だ。

今、オンチェーン金融のフロンティアは明らかにニューヨークである。だから僕は、今年から正式にニューヨークに移住した。この連載では、アメリカのニューヨークから「オンチェーン金融」の最前線を記載していきたい。

オンチェーン化──それは「あらゆる経済活動のブロックチェーン上への移行」

もしかすると「オンチェーン」という単語を聞いたことがある人はあまり多くないかもしれない。しかし、これからの金融や社会を創造する上で、欠かせないトレンドだ。AIの領域ではトレンドが機械学習(マシーンラーニング)から深層学習(ディープラーニング)、生成AI(ジェネレーティブAI)、そしてAGI(汎用人工知能)へと進化してきたように、ブロックチェーンや暗号資産の領域でも、トレンドが名前を変え、シフトしている。

まずはビットコインのような仮想通貨がバズワードとなり、数年前にはWeb3という単語が流行った。そして今、中心になっているのがオンチェーンである。AIしかりブロックチェーンしかり、トレンドと名前がコロコロと変わることは悪いことではない。むしろ自然である。なぜなら技術進化にともない、技術によって社会で実現できるかもしれないことが拡張しているからだ。

十数年前には、AIが猫の写真を認識するというだけで衝撃だったが、今では動画の自動生成や専門家を凌駕するほどの高いクオリティーの文章を作成することは当たり前になっている。ブロックチェーンの世界でも、5年前までは1取引に5000円の手数料がかかることもしょっちゅうあったが、昨今では1円を切っている。

ブロックチェーンの技術が指数関数的に進化していくなかで、経済活動の取引がブロックチェーン上に移行している。紙取引に始まり、インターネットの普及によって取引がオンライン化し、ブロックチェーン技術の発展であらゆる取引がオンチェーン化し始めている。

オンチェーン化した現実世界資産(RWA)の推移

出典:rwa.xyz
出典:rwa.xyz

このトレンド自体を、「オンチェーン化」と呼ぶ。将来的にはあらゆる資産がトークン化され、より早く、より安く、どこでもブロックチェーン上で取引が可能になるだろう。金融資産はより小口化され、24時間世界中で取引が可能になる。

ここで取引される対象は、これまでの金融資産にとどまらない。価値があり希少性のあるあらゆるものがトークン化され、金融商品になる。そして、ブロックチェーン上での無期限先物(満期のない先物取引)や予測市場(未来の出来事や確率を取引する市場)のような新しい金融商品も登場してくる。この点でオンチェーン化は、新たな「金融の民主化」と言えるかもしれない。

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文=渡辺創太

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渡辺創太の「オンチェーン金融最前線」

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