北米

2026.09.28 12:15

米国が本気で進めるオンチェーン化──日本市場は変われるか|渡辺創太

次の3年のスパンで主戦場になるのは、この株式のトークン化だ。アメリカではルール整備が急速に進んでおり、9月1日にSECが約40年ぶりとなるトランスファーエージェント(株主名簿管理人)規則の全面改正案を公表。同月17日には、株式トークンのオンチェーン取引について、5年間のイノベーション免除制度(新技術導入のための規制緩和措置)を付与した。これはアメリカ国内でトークン化された株式を、既存の株式と同等に扱うことを可能にする取り組みの一環である。

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では、株式がトークン化されるメリットは何か? それは、株式が24時間365日取引可能になり、これまで売買成立から1〜2営業日ほどかかっていた決済が秒単位に短縮される(いわゆるDvP:資金と証券の同時決済)ことだけにとどまらない。一番大きい変化は、株式がプログラマブルな分散型金融(DeFi)のなかに溶け込んでいく点だ。

SECのイノベーション免除制度では、証券取引法上で分散型取引所が「証券取引所」とみなされる規制リスクについて、一定条件下で免除すると明言。さらに、取引プールに資産を預け入れて売買を成立させる流動性提供会社(マーケットメーカー)についても、一定条件を満たせば規制免除の対象となる。

これにより、トークン化された株式がDeFiに溶け込み、新しい金融ユースケースが生まれる。具体的には、例えば次のような魅力的な商品提供が開始されることが見込まれる。

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・保有している株式をDeFiで運用し、2〜3%の運用益を受け取る
・保有している株式をレンディング(資産を担保にした即時融資)に預け入れ、ステーブルコインを借り入れる

オンチェーン金融商品が既存金融商品よりも魅力的になればなるほど、既存金融の資産はオンチェーン金融に流れ込む。かつて我々が紙での契約書取引からオンラインへの契約書取引へ移行したように(移行しつつも紙での取引も残るので代替ではない)、近い将来、既存金融取引がオンチェーン金融取引に移行していくだろう。その時にクリティカルなピースになる部分はどこかという観点で事業を進めていくことが、極めて重要である。

それがどこで、どのような発展をたどっていくのかは、次回以降、綴っていきたい。

文=渡辺創太

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渡辺創太の「オンチェーン金融最前線」

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