オープンソースを名乗るAIの多くは、実は「オープンウェイト」
オープンウェイトは、プロプライエタリとオープンソースの中間にあたる。オープンソースとして売り込まれているAIアプリケーションの多くは、本来はこのラベルが付けられるべきだ。ウェイト(weights。「重み」とも訳される)とは、AIが学習の過程で割り出し、どの選択をするかを決めるときに使う数値や設定、パラメーターのようなデータだと考えればよい。
ウェイトが公開されていれば、利用者はモデルをダウンロードして自前のサーバーで動かせる。そのため、モデルをより自分たちの管理下に置けるようになる。とはいえ、すべてが開かれているわけではない。アルゴリズムを記述したソースコードや、モデルが何を知っているのかを示す学習データは、依然として非公開のままかもしれない。
ライセンス次第で、自社AIがどこまでブラックボックスかが決まる
オープンソースとされるソフトウェアは、多くの場合、いくつかある「寛容型」(permissive)ライセンスのいずれかのもとで公開されている。大まかにいえば、利用者が料金を払わずに好きなように使うことを認めるライセンスである。
こうしたライセンスには通常、元の作者の名前を明記しなければならないといった、ちょっとした条件が付いている。よく使われるのは、OpenAIのオープンウェイトモデル「gpt-oss」が採用しているApache 2.0や、MITライセンスだ。MITライセンスは、メタが開発したReact(ウェブアプリの画面を組み立てるためのフレームワーク)のほか、中国発のDeepSeek(R1とV3-0324以降)や、マイクロソフトのPhi-4といったAIモデルにも使われている。
開発元が独自のライセンスを作ることもある。メタがLlama 3.1を公開したときがそうだった。このライセンスは、月間ユーザー数が7億人を超えるサービスを持つ企業に対し、使う前にメタの許可を得るよう求めている。また、Llama 3.2では一時的にEUの企業が使えない状態にもなった。
AIツールやAIプラットフォームを購入する側にとって、どのライセンスを選ぶかは、信頼でき、説明責任を果たせる形でAIを提供できるかどうかを大きく左右しうる。自分たちが作るものの中身をどこまで見通せるのか、何がブラックボックスのまま残るのかも、ライセンスで決まる。
(※編注:ライセンスとは別途、利用規約という体裁で制約を設けている場合もある)
だからといって、プロプライエタリが悪で、オープンソースが善というわけではない。プロプライエタリのツールやプラットフォームは、たいていの場合、使い始めるまでが早く、手間もかからない。サポートも、一般には開発元が提供する。開発元には、顧客に使い続けてもらいたいという強い金銭的な動機がある。そして、最も高性能なプロプライエタリのフロンティアモデル(最先端の大規模AIモデル)は、純粋な性能を比べるベンチマーク(性能比較のための標準的なテスト)の大半で、現在もオープンソースおよびオープンウェイトのモデルを上回っている。
とはいえ、組織の中でAIが担う役割が大きくなるにつれ、AIが扱うデータも増えていく。そこには、機密性の高い個人データや財務データが含まれるかもしれない。そうなれば、ここでの選択が、データを適切に管理し守る責任(データスチュワードシップ)や、事業の自律性(特定の提供元に左右されずに事業を進められること)にどう影響するのかを、真剣に考えるべきだ。


