いまZ世代にもっとも嫌われている仕事時間は何か。答えは「朝礼」です。2026年春に企業へ入った新入社員は、自己の納得感や効率を重視すると言われる世代。新入社員を対象にした調査では、「無駄だ」と感じる仕事時間の1位が「朝礼」で23.5%、5位には「ちょっとした打ち合わせ」が入ります。
「無駄」を省かないのが協調性?
もっとも、無駄を感じているのは新人だけではありません。別の調査では、会議1回あたりの準備に平均33分、開催時間は平均50分。週3.7回の会議で、就業者は週あたり約5時間を会議に使っている計算になります。
つまり日本人は、年に直せば約240時間、勤務日にしておよそ30日分も会議しているのです。
みなさん内心はどう思っているのでしょうか? リクルートワークス研究所の調査から浮かび上がるのは、「自分は必要性を感じないが、上司が必要だと言うので実施している」。つまり興味がない、無駄と感じていても、全体の必要性を優先する。実際に日本社会は時間と協調によって秩序が作られています。入学式に始まり、年中行事や会社の打ち合わせ、結婚式に至るまで、開始と終了の時刻がはっきり決まっている。ちなみにイタリアの結婚式には司会進行がなく、終了時間は定まっていません。
イタリアの時間は鐘の音として「配給」されていた
ここで少し視点を変えて歴史をひもとくと、ルネサンス前後の都市イタリアでは、時間はまず抽象的な数字ではなく、鐘の音として共同体に配られていました。教会の鐘やラッパや声の響きが都市の中心から周縁へ広がり、人びとを公共空間へ引き寄せる社会的な合図として機能していた。時間は、人の共同体を動かすために、街に鳴り響くものだったのですね。14世紀になるとダンテ『神曲』では機械時計が描かれ、ペトラルカの文学作品にはミラノの公共時計が登場します。時計の機能は時刻を「見せる」だけでなく、鐘によって「聞かせる」ものでした。

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