北米

2026.09.25 10:00

重要鉱物「脱中国」のカギは中東に? 米国が湾岸マネーに注目する理由

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米国の国際開発金融公社(DFC)が関わる重要鉱物ファンドについて考えてみたい。これはDFCと、意外な組み合わせの2つのパートナーが立ち上げたものである。アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系ファンドであるADQと、鉱業・金属分野のファイナンスを専門とする米投資会社オリオン・リソース・パートナーズだ。「オリオン重要鉱物コンソーシアム」と名づけられたこの取り組みで、米政府は、こうした鉱物を自国ではほとんど採掘していない国と、その種のプロジェクトへの投融資を手がける民間企業を引き込み、重要鉱物を確保する一助にしようとしている。

背景にある構図は単純明快だ。湾岸諸国の政府系ファンドは、石油時代の潤沢な資金を抱え、長期的には石油需要が減退していくと見込まれるなか、銅やリチウム、コバルト、ニッケル、レアアース(希土類)など、現代の半導体や電力網、AI(人工知能)データセンターに欠かせない原材料の世界的なサプライチェーン(供給網)に投資している。これは米国にとって好機になっている。現在、鉱物の製錬は中国に支配されており、米国は対抗するサプライチェーンを自国だけでは十分なスピードで構築できない。その助け舟が湾岸諸国の資本というわけだ。うまく活用すれば、それは中国の支配力を弱める数少ない現実的な手段のひとつになる。

こうした見解をかねて示してきたのが、米戦略国際問題研究所(CSIS)で重要鉱物安全保障プログラムのディレクターを務めるグレイスリン・バスカランだ。彼女は湾岸諸国について、豊富な資金を持ち、米国が限定的にしか進出できていない資源国市場に参入済みであることから「強靱なサプライチェーンを構築する米国の取り組みで中心的な役割のひとつを担うべき存在」だと説いている。米国はリスクの高い鉱山プロジェクトを自ら探し出し、それに直接資金を投じる必要はない。なぜなら、裕福なパートナー諸国がすでにそれをしているからだ──という理屈だ。

湾岸諸国がそうした取引をしている理由も、説明するのは難しくない。石油がいつまでも国家財政を支えてくれるわけではない。だからこそ、石油収入で築いた現在の富を投じて、将来の経済の「持ち分」を取得しようとしているのだ。サウジアラビア当局は、国内に眠る鉱物資源の価値を2兆5000億ドル(約397兆円)と見積もっている。この評価額は、2016年に「ビジョン2030」の改革が始まってから90%増加している。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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