欧州

2026.09.25 07:00

ロシアとウクライナのエネルギー戦争、憂慮すべき新たな段階へ

ウクライナ東部ハルキウのガソリンスタンドで、ロシア軍による無人機攻撃を受け、炎上する車両。2026年7月3日撮影(Serhii Masin/Anadolu via Getty Images)

ウクライナ東部ハルキウのガソリンスタンドで、ロシア軍による無人機攻撃を受け、炎上する車両。2026年7月3日撮影(Serhii Masin/Anadolu via Getty Images)

最近の情勢を見る限り、ロシアとウクライナのエネルギー戦争に関する筆者の見解を更新する必要があることは明らかだ。率直に言えば、両国の戦争は、観測筋の予想よりはるかに凄惨(せいさん)で恐ろしい段階に入っている。

無人機(ドローン)やミサイルといった兵器の活用により、双方の攻撃能力は増強されている。こうした新たな軍事技術が両国の国民にもたらす影響は、かつてないほど深刻なものとなることが予想され、実際、既に現れ始めている。

しかし、それだけではない。直接的・間接的な影響は今や、戦争とは無関係の地域にまで及んでいる。ウクライナ侵攻は安価で自律性の高い兵器の進化を加速させており、非国家主体によるこうした兵器の使用は国家安全保障上の新たな懸念材料となっている。

ロシア軍の絶え間ない攻撃

ロシア軍は昼夜を問わず、ミサイルや無人機でウクライナの都市や社会基盤を絶え間なく攻撃している。現在ではジェット推進式の新型無人機も投入されている。従来の時速180キロに対し、新型無人機は時速600キロという高速で飛行できるため、迎撃が困難になっている。旧型の無人機は90%以上が阻止されていたのに対し、新型の迎撃率は60%程度にとどまっていると推定されている。その一例である「ゲラニ5」は、無人機と巡航ミサイルの能力を兼ね備えた兵器で、10万~15万ドル(約1600万~2400万円)と安価でありながら時速300キロ以上で飛行し、航続距離は1000キロに及ぶ。

ロシア軍はウクライナ国内のガソリンスタンドへの攻撃も強化している。同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この攻撃は死傷者を出すことで地域住民を恐怖に陥れて士気を低下させ、日常生活のあらゆる側面を阻害することを目的とした、ロシア大統領府(クレムリン)による「テロ」の一環だと指摘した。

一方、ウクライナ軍はロシアの石油関連施設に対する攻撃を強めており、大きな成果を上げている。ロシアは石油精製燃料の輸出をほぼ全面的に停止せざるを得なくなり、現在はガソリンを他国から輸入しなければならない状況に追い込まれている。国内各地で燃料の配給制が敷かれ、2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島を含む一部地域では非常事態が宣言された。

ウクライナ軍の作戦が成功していることを示す1つの兆候として、米国は中間選挙を数週間後に控え、国内のディーゼル燃料(軽油)価格が記録的な高値に達していることから、ドナルド・トランプ政権が停戦を求める姿勢を再び強めていることが挙げられる。米ホワイトハウスは、ロシアとウクライナがエネルギー関連施設に対する攻撃の停止に合意したと発表したが、本稿執筆時点では、ゼレンスキー大統領はこの件について把握していなかった。攻撃は現在も続いている。

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翻訳・編集=安藤清香

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