リーダーシップ

2026.09.24 21:26

AIは組織文化を救わない リーダーが実践すべき「5つの変革」

Adobe Stock

Adobe Stock

キース・フェラッジは最近の論説(購読要)で、AIは職場の悪い習慣を覆い隠すのではなく、むしろ露呈させると論じた。組織についても同じことが言える。優先順位が不明瞭であったり、責任の所在が曖昧であったりすれば、AIが魔法のようにすべてを解決してくれるわけではない。むしろ、その問題を映し返してくる。

だからこそ、AI時代において組織文化が極めて重要になる。リーダーがこれまで対処してきた組織課題がなくなるわけではない。AIは人々がより多くをこなす助けにはなるが、何が重要か、誰が決めるべきか、困難な事柄をどう共に乗り越えるかを教えてはくれない。

1. 本当に重要なプロジェクトを優先する

組織が成長するにつれ、ステークホルダー、要望、緊急課題が注意を奪い合うようになる。あらゆることが重要に思えてしまうが、デロイトによれば、労働者は一日の41%を組織価値に貢献しない業務に費やしているという。

AIはより多くの仕事を生み出しやすくするが、どの仕事に取り組む価値があるかは教えてくれない。明確な優先順位がなければ、AIは人々を果てしない脇道に引き込み、実質的な前進を伴わないままアイデアや草案、分析を量産させかねない。

だからこそリーダーは、最も重要な優先事項について一段と明確でなければならない。まずは今後6〜12カ月にチームが集中すべき3つの優先事項を特定し、それに紐づかない業務は断ってよいという裁量を与えることから始めよう。

2. 責任の所在を明確にする

意思決定にあまりにも多くの人が関与すると、誰が責任を負うのかが曖昧になりがちだ。その結果、お決まりの状況に陥る。議論やフォローアップが増え、誰かが次の行動を決めるのを待つ時間ばかりが浪費されていく。

AIは意思決定を巡る作業を加速できるが、誰がその決定に責任を負うかを決めることはできない。責任の所在が明確でなければ、チームは意見集めに時間をかけすぎて、新しい取り組みの立ち上げやアイデアの検証、目の前の問題解決の好機を逃してしまう。

あらゆるプロジェクトには、着手前にオーナーを任命すべきである。そのオーナーは一人で決断する必要はないが、適切なインプットを集め、業務を前進させる責任を持たなければならない。

3. 意図的にコラボレーションする

組織が成長するにつれ、コラボレーションは難しくなる。チームは自然と独自の目標、プロセス、仕事の進め方を築いていく。これは自部門内で迅速に動く助けとなる一方で、サイロを生み出しかねない。

AIは個々の仕事を楽に感じさせる一方で、コラボレーションを避けやすくもする。Workdayの最近の調査では、「職場で困難な状況に直面した際、同僚に相談するのと同じくらいの割合でAIを頼る」と回答した従業員は39%に上った。AIは従業員に素早い答えを与えるかもしれないが、同僚とのブレインストーミング、率直なフィードバックのやり取り、困難な対話を共に乗り越えることから生まれる信頼を代替することはできない。

コラボレーションは、特にチーム間や階層を越えて、仕事の進め方の中でより意図的な要素となる必要がある。リーダーは、人々が共に問題を解決し、直接フィードバックを交換し、業務の停滞箇所について議論する機会を作るべきだ。

4. リスクを取ってイノベーションする

大組織においては、新しいことを試すのに慎重になるのは自然なことである。

AIは新しいアイデアを素早く生み出せるが、それを試そうという意欲まで人々に持たせることはできない。もし従業員が、パイロット版(試行プロジェクト)の失敗を「判断力の欠如」と見なされると考えれば、挑戦をためらうようになるだろう。

思慮あるリスクテイクは、仕事の進め方の一部として根付かせなければならない。チームには、恥をかく恐れなく新しいアイデアを試し、実験を練り、学んだことを共有する余地が必要だ。チームに次の3つの問いを投げかけよう。何を試したのか。何を学んだのか。次はどう変えるべきか。

5. シンプルに保つ

会議やスライド資料、承認ステップをもう一つ追加したくなる衝動は、たいてい善意から生じる。しかし時が経つにつれ、その積み重ねが、本当にやるべき仕事を進めることを難しくしていく。

リーダーが注意しなければ、AIはこのパターンを増幅させかねない。今や、洗練されたスライド、詳細な要約、長い選択肢リストを生成するのはかつてないほど簡単だ。しかしチームが何を達成したいのかを明確にしていなければ、そうしたアウトプットはすべて活動量を増やすだけで、正しい成果には近づかない。

もう一つの会議や資料を求める前に、こう問うてみよう。私たちはどの問題を解決しようとしているのか。どの成果が変わる必要があるのか。

明確な視点が示された短いメモがあれば、事前資料、会議、そしてその後のフォローアップのすべてを省略できることも多い。

AIの起点は「人々の働き方」にある

AIは組織課題から逃れるための窓ではなく、それらを映し返す鏡である。次の時代に最も備えのあるリーダーとは、自組織における仕事の進め方を正直に見つめ、それを強化しようとする者だ。

Workdayでも私たちはこの道のりの途上にあり、ひとつの明確な事実に行き着いた。それは、AIが最も効果的に機能するのは、人々が優先事項を理解し、自ら意思決定を行う権限を与えられ、共に課題を乗り越えようとする意欲を持っているときである、ということだ。

(forbes.com 原文)

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事