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リーダーシップ

2026.10.11 10:15

『稲盛フィロソフィの実践者として』 坂本孝が語った利他の「転用」 贈りたくなる言葉集 vol.12

Forbes JAPAN編集長編著『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』から、Forbesが過去取材したビジネスリーダーたちの名言を紹介する。

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正解のない時代に「未来をひらく」仕事をなし得た彼ら・彼女たちは、自らの行動からどんな言葉を紡ぎ、何を導き出したのか。「名言こそ未来に伝えるべき共有物だ」をコンセプトに、リーダーたちの言葉をひもとき、われわれの「今日の行動」に転換すべく読み解くコラム。第12回の今回は、ブックオフ創業者、「俺のフレンチ」創業者 坂本孝の言葉を紹介する。


恋愛が美しい誤解だと言われるように、錯覚を起こすほど情熱をもつことです

──坂本孝

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『週刊文春』にブックオフの会計処理をめぐる問題を内部告発されて2年ほど経った頃、私は社会的名声を失った坂本さんと会う機会があった。「これからどうするんですか」と酷な質問をすると、意外にもニヤッと笑って「人生二度目の上場を目指すので、見といてくださいよ」と自信を見せた。そうですかと聞き流したが、しばらくしてテレビに登場した坂本さんの姿に驚いた。「俺のフレンチ」の大ヒットを特集されていたのだ。高級レストランのメニューを立食で提供するビジネスだ。私は再び坂本さんに会いに行くと、彼は「90%はうまくいくと思っていた」と言う。その理由を問うと、彼はこう答えたのだ。

「稲盛フィロソフィの実践者だからです」。京セラ創業者・稲盛和夫を崇拝する者であり、稲盛さんが説く「利他の精神」という考えのもと、彼は「料理人を幸せにする」コンセプトから「俺の」シリーズを始めたという。給与が低く、独立ができない料理人に店を提供して、立ち飲み形式にして客の回転率を上げることで、リーズナブルな値段でも利益を確保。これが、予想どおりの大ヒットとなったのだ。

「ビジネスで最も大切なことは、錯覚を起こすことだと思うんです。恋愛が美しい誤解だと言われるように、錯覚を起こすほど情熱をもつこと。稲盛フィロソフィを強く信じれば成就できると、信じたからできたのです」


坂本孝(さかもと・たかし)◎ブックオフ創業者、「俺のフレンチ」創業者。1940年、山梨県生まれ。慶應義塾大学卒業後、精麦会社入社。オーディオショップ経営などを経て、90年にブックオフを開業。91年にブックオフコーポレーションを設立。2007年、粉飾決算により会長職を引責辞任。09年にバリュークリエイト創業。11年、東京に「俺のイタリアン」を開店。「俺のフレンチ」など立食式飲食店業態を展開。22年、死去。

『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』(藤吉雅春編著、だいわ文庫)
『Forbes JAPANが選ぶ 未来をひらく言葉』(藤吉雅春編著、だいわ文庫)

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