そして、その進捗を示す2つの情報が明らかになった。1つはappFiguresが発表したレポートで、もう1つはアップルが12月10日に公表したデータだ。
appFiguresによると、アップルTVのApp Storeにはオープン後1ヶ月余りで既に2624本ものアプリが登録されているという。アプリの中で圧倒的に多いのがゲームで、登録本数は約1000本となっている。9月のイベントでアップルはゲーム重視の姿勢を強調し、例えばiPhoneで遊んでいたゲームを中断してアップルTVで継続できることや、コントローラーに加速度センサーとジャイロスコープを搭載し、モーションコントロールが可能であることなどをアピールしていた。一方、アプリの登録数が最も少ないカテゴリーはショッピングで、わずか9本だった。
このペースでアプリ本数が増え続ければ、一ヶ月後には5000本、2016年初めにはアプリ数が1万本に達するとappFiguresは予測している。登録本数ではゲームが最多だが、ダウンロード数が最も多かったカテゴリーはエンタテイメントだった。appFiguresは正確なダウンロード数を報じていないが、人気アプリの上位50中28本がエンタテインメント系で、ゲームアプリは8本に過ぎなかった。大方の予想通り、一番人気は動画ストリーミングアプリで、アップルによるとHBO Nowが1位、Netflixが4位、Showtimeが6位だという。
それでもアップルはこのデバイスがゲームプラットフォームに成長することを有望視している。アップルのソフトウェア部門上級副社長のエディー・キューは「これは、iPhoneがゲーム機として使われるようになった経緯とよく似ている」とバズフィードの取材に応えている。
「iPhoneを世に出した時、我々はゲーム機としての利用を期待していなかったが、今やiPhoneのゲームは巨大なマーケットに成長した。ゲームをするのはハードコアなゲーマーだけじゃないことを、この事実が証明した。個人的な意見だが、世界の大半の人たちはもはや Xbox や PlayStationに関心を無くしている。でも、それはゲームへの関心が低下したということではない。我々はアップルTVを通じてゲームの市場を拡大できると考えている」
しかしながら、アマゾンやRokuなど、他社のセットトップボックスもゲームプラットフォームとしての機能をアピールしたが、どれも成功していない。
「Rokuではゲームも遊べるが、それほど人気は高くない」とRokuの創業者兼CEOのアンソニー・ウッドは10月のインタビューで述べている。
「ユーザーはテレビ画面でカジュアルゲームを遊びたいと思っていない。アップルがゲームで成功するとは思えない。我々もゲームを提供しているが、それがRokuを購入する目的にはなっていない」
appFiguresによると、アップルTVで提供されているアプリの61%が無料だという。残りの39%が有料アプリで、大半は月額2.99ドル以下となっている。「これはアプリ開発者には朗報だ。多くのユーザーがアップルTVで得られる体験に、前払いでお金を支払う価値があると考えている」とappfiguresはブログで書いている。
アップルTVで最も利用率が高いアプリは大方の予想通り、動画ストリーミングアプリだった。しかし、最も気になるのは今後アップルTVがどのような根本的変化を、このデバイスを通じて市場にもたらすかだ。アプリ開発者らは今懸命に、その答えを見つけ出そうとしている。