Forbes JAPAN 2026年11月号の第2特集は、日本発で世界を驚かす共創プロジェクトに光を当てる「Xtrepreneur AWARD 2026」。4回目の今回は応募要件から大企業の参画を外した。これまで以上に多彩な顔ぶれから、6つの共創プロジェクトを選出した。組織のレガシー(資産)をかけ合わせ、一社単独では生み出せない大きなインパクトを創出する共創物語に迫る。
リサイクル不能とされた廃材を炭化し、リジェネレーション賞を受賞したのは、.Garbonだ。合成皮革や建材へ再生する共創事業。「出口戦略」から逆算した異業種連携が、廃棄物を、利益を生む資源へと昇華させる。
あなたは「ゴミ」と聞いて何を想像するだろうか。堆積すれば環境を害し、処分コストがかかる厄介なものだろうか。その定義を変えようとしているのが「.Garbon(ガーボン)」だ。
「.Garbon」は、新興企業の.Gab、炭化技術をもつ大木工藝、合成皮革メーカーの共和ライフテクノ、オフィス家具大手のオカムラによる共創事業である。目的は「あらゆる廃棄物を炭化し、高付加価値素材に変える」こと。プラスチックや衣類、食品の残りかすなど、分別が難しくリサイクル不能とされてきた有機系廃棄物を炭化し、合成皮革や建材、繊維へと再生させる。
事業を主導するのが.Gabだ。「ゴミという概念をなくす」をビジョンに掲げて同社を立ち上げたCEOの山内萌斗は、これまで現場で資源循環の啓発活動を続けてきた。
しかし山内は、街や工場等の有機系廃棄物の約8割が既存のリサイクル設備に乗らず焼却されている壁に直面。新たな循環ソリューションを模索するなか、滋賀県で独自の炭化技術を磨いてきた大木工藝の存在を知る。同社は、処理が困難とされたプラスチック廃棄物から不純物ゼロの高性能活性炭を精製し、世界的素材メーカーに納入されるなど、すでに高い技術と収益性を実証してきた。同社の大木武彦社長は素材特性を生かした技術の広がりを次のように語る。
「炭素を巻き付けた『導電性の糸』も開発しました。金属アレルギーを起こさず、静電気除去や医療ウェアへの応用が可能です。また、廃船や漁網を炭化して魚礁に成形すれば、海藻の栄養となりヘドロを分解する製品に生まれ変わります」
加熱時に爆発リスクのあるプラスチック等の処理は困難とされていたが、大木工藝はこの難題を克服し、世界水準の炭化技術を確立していた。同社の圧倒的な技術力と、山内の事業推進力が共鳴し、両者は技術を活用した出口開発における独占ライセンス契約を結んだ。
「出口」から逆算する循環ビジネス
この技術をハイエンド素材へ昇華させるべく、.Gabは国産合皮メーカーの共和ライフテクノへ協業を打診した。山内は事業推進における「出口戦略」の重要性を説く。「事業で大事にしているのは、最初に出口を描くことです。市場性のあるゴールから逆算して仕様を設計しなければ、持続可能な循環ビジネスにはなりません」(山内)



