メタバース(仮想空間)での体験が、現実世界での買い物や旅行、さらには引っ越しにまでつながっているようだ。株式会社Vと博報堂の専門組織『メタバース生活者ラボ』は、VRChatユーザー1129名を対象に、メタバースでの日常が現実世界の購買行動やライフスタイルに与える影響について共同調査を実施した。その結果、仮想空間での体験が現実世界の消費につながっている実態が明らかになった。一方、企業にとっては課題が残る結果も示された。
メタバースが現実の消費を動かす
VRChatを日常的に利用することをきっかけに購入したものを尋ねたところ、「アバター・衣装」が84.1%、「PC・VR機器」が78.1%と、仮想空間での活動に必要なものが上位を占めた。また「現実世界の旅行やイベント」にお金を使った人は15.6%、「現実世界用の服・アクセサリー」は14.6%、「現実世界用の食品・飲料品」は13.9%となり、現実世界での消費にもつながっていることがわかった。

調査元によるとその背景に、ユーザー同士のオフラインイベントの定着や、自治体による観光PRワールドの増加があるという。仮想空間で触れた情報や体験をきっかけに、モデルとなった現実の場所を訪れる「聖地巡礼」など、オンラインからオフラインへの行動の変化が見られているようだ。さらに現実世界の家具やインテリアの購入、引っ越しといった住環境の変化につながったケースもあった。実際に「家族に迷惑をかけずにVRChatをプレイできるよう、1LDKから2DKの住宅に借り直した」というユーザーの声も紹介されている。
企業ワールドには約6割が参加
今回の調査では、企業がVRChat内で提供する仮想空間(ワールド)やイベントについても調べたところ、企業ワールドやイベントへの参加経験がある人は約6割に達したことがわかった。

その魅力として最も多く挙げられたのは「フレンドと一緒に遊びながら、ワイワイ商品や展示を見られること」。次いで「現実ではありえない空間や演出」だった。

企業が提供する仮想空間は、単に商品やサービスの情報を得る場所ではなく、友人と一緒に楽しむ交流や体験の場として活用されている。



